SharePoint 2016 でコミュニティ サイトを利用するとき、バッジを付与してもユーザーに表示されない不具合が発生しています。
October 2016 CU を適用してみましたが、結果は同じです。Microsoft TechForum にも同様の質問が寄せられており、Microsoft 社内に問題がエスカレーションしたようです。
SharePoint Online 上では問題なくバッジが表示されているため、修正を待ちたいところです。
SharePoint 2016 でコミュニティ サイトを利用するとき、バッジを付与してもユーザーに表示されない不具合が発生しています。
October 2016 CU を適用してみましたが、結果は同じです。Microsoft TechForum にも同様の質問が寄せられており、Microsoft 社内に問題がエスカレーションしたようです。
SharePoint Online 上では問題なくバッジが表示されているため、修正を待ちたいところです。
お蔭様で今年も Microsoft MVP の再受賞できました(MVPは1年ごとの受賞期間となっており、毎年、1年間の活動報告とともにノミネーションを行い、米国Microsoft社の審査によって受賞の可否が決まります。私は 10月から1年間の受賞期間となっています)。
ところでMVPには受賞分野が定められており、昨年までは SharePoint Server 分野が設けられていました。私自身は最初は SharePoint Services の分野で受賞していましたが、それが2年後 SharePoint Server 分野に編成され、それを含めSharePoint 分野では昨年まで国内最長の12年連続受賞させていただいていました。しかし、昨年の受賞期間の途中から分野が再編成されプロダクト カットではなくなり、" Office Servers and Services " というコミュニティ エリアに組み込まれました。本年度はこのエリアでの再受賞となりました。
さて、投稿ついでに SharePoint の最近の動向についてダイジェストに触れておきましょう (細かい説明は、また折を見て記事にします)。
SharePoint Server 2016 の登場とFeature Pack
今年は SharePoint Server 2016 が登場しました。現在 Office 365 に含まれる SharePoint は先行してアップデートが行われていますが、これがあるタイミングで切り出されオンプレミス環境で使えるようになっているというのが、オンプレミス環境での SharePoint Server の状況です。Office 365はめまぐるしいアップデートが行われており、ある日突然操作画面が変わるということもあります。もちろん、テナントの管理者には通知されているのですが、テナント管理者が必ずしも SharePoint に精通しているとは限らず、通知内容がユーザーにきちんと伝わっていないようなケースも少なくありません。その点、オンプレミスの SharePoint の場合は最新機能がすぐに利用できるわけではありませんが、その分、変化が緩やかであり、余裕をもってユーザー対応などが行えるメリットがあります。また、SharePoint Server 2016 の現在リリースされているバージョンは SharePoint Server 2013 から比較すると、機能面では機能改善が多く見られるもののユーザーが明らかに戸惑うような新機能はありません。しかし、Office 365 で培われたノウハウがさすがに生かされている感があり、システム的に安定し、応答速度も速くなっている印象があります。
この SharePoint Server 2016 ですが、新たな取り組みとして Office 365 で先行している機能の一部を Feature Pack という形で追加インストールできるようになっています。先日米国アトランタで開催された技術者向けイベント Microsoft Ignite 2016 にて、いよいよ最初のFeature Pack 1 が 11月にリリースされるとのアナウンスがありました。内容については別の記事にまとめたいと思います。
Office 365グループ
Office 365 に関しては注目すべきは "Office 365 グループ" です。しばらく前から利用できるようになった機能ですが、徐々に機能が追加されてきて最近になってようやっと使えるようになってきた感があります。従来はOffice 365 は Exchange Online, SharePoint Online と、、プロダクトごとにサービスが分かれていましたが、こうしたサービスの差異をユーザーは意識しなくてよいように、またより簡易的にグループワークができるような仕組みとして利用できるのが Office 365 グループです。グループと言っていますが、ただのグループではなく、グループを作ると "情報共有の場" が同時に作成される仕組みになっているのが特徴です。現在はグループを作るとグループ用のメールボックスが作成され、OneDrive for Business の環境が用意されます。つまり、ユーザー間のコミュニケーションの場とファイル共有の場が自動的にセットアップされる仕組みです。ここに今月以降、新たに SharePoint Team Site も自動生成されるようになります。とはいえ、「どう使わせるのか」という運用面での課題があります。新しい仕組みが登場している過渡期であり、SharePoint と Office 365 全般に関するある広い知見がないと運用に迷うと思われます。この点に関しては、弊社で実施する研修ではワークショップ形式を主体に、ディスカッションの場を提供していきたいと考えてます。情報を整理し、組織に適した形で、短期または中・長期的にとるべき方向性を見定めるお手伝いができればよいなと思っています。
モバイルを意識したUIや開発
そして、すでに本ブログでも何度か取り上げてきているようにOneDrive for Businessにせよ、SharePoint にせよ、モバイルを意識したUI のつくりになってきています。現在はレガシーUIとモダンUIのどちらかを選択できますが、モダンUIではリボン メニューもなくなるなどオンプレミスとはUIがガラッと変わってきています(それぞれ新しいUIを持つリスト、ライブラリは Modern List , Modern Library と呼ばれています)。SharePoint チームサイトのページも変更され、Modern UIになります。すべて Responsive Webデザインです。
こうした状況を受けカスタマイズや開発に関しても、すでにアナウンスされていますが、ガラッと変わってきます。開発者の方は SharePoint Framework と Office Pattern and Practiceがキーワードです。SharePoint Framework は JavaScript ベースの新たな開発フレームワークであり、新たなWebパーツ開発の手法になってきます。そのため開発者は JavaScript の習得は必須であり、オープンソースのツールも使えるため既存の開発者も以前に増してSharePointソリューション開発へのハードルが下がってくるのではないでしょうか。ちなみに、Microsoft Ignite での SharePoint Framework を習得するためのハンズオンラボでは、 TypeScript + Yoeman + Visual Studio Code などを用いた開発手順になっていましたが、これは一例です。
SharePoint Designer ワークフローとInfoPath の後継としては Microsoft Flow, Microsoft PowerApps が現在プレビュー状態にあります。こちらはビジネス ユーザー向けの開発ツールであり、ノンコーディングで開発できます。これもモバイル利用も含めたアプリ開発となっています。
最後に
と、ざっと書いても SharePoint に関しては新たなトピックスが目白押しであり、今年度も、やることがたくさんありそうです! 優先順位をうまく調整しながら、体系立てた情報と現場に即決する情報をバランスよく、かついち早くお伝えしていきたいと思います。
ちなみに、Microsoft Ignite では全体として1400セッション強あり、 Office 365 関連セッションが 400近く、SharePoint 関連セッショは200セッション近くあり、まだまだ人気は健在です。日本国内とは情報量が雲泥の差です。
このあたりの情報をうまく日本にフィットした形で提供していけるよう今後も引き続き Office 365 などのクラウドも視野に入れた SharePoint の利活用支援を行っていきたいと思いますので、皆さまどうぞよろしくお願いいたします!
SharePoint 2016 を使って検索クロールを実施すると sitemaster で始まる URLがエラーとして、次のスクリーンショットのようにログに記録されます。しかし、このようなURLは登録した覚えがない。
これは何かというと、SharePoint 2016 から新たに追加された "Fast Site Collection Creation" 機能が利用するサイトコレクションのテンプレート用のURLです。この機能はサイトコレクションの作成処理を早くするための新機能です。OneDrive (旧 個人用サイト) のサイトコレクション作成にはこの機能が内部的に使われており、そのためのテンプレートがあらかじめ用意されています。そのため、サーバー全体管理サイトからアクセスすると OneDrive サイトの一覧にこのURLがあることが分かります。
以上のことから、このエラーは無視してかまわないエラーです。
SharePoint 2013 から導入された検索サービスの継続クロールですが、これを設定すると既定では15分間隔でクロールが実行されます。対象は SharePoint 上のコンテンツに限ります。ところが、この設定をしても必ず4時間おきに増分クロールがスケジュールされます。これはな何をやっているのか?
カギはユーザー プロファイルの検索にあります。ユーザー プロファイルは継続クロールの対象外であり、必ず増分クロールでないとインデックスが生成されないそうです。ちなみに、ユーザー プロファイルはフルクロールでもダメ。必要なのは増分クロールです。
つまり、ユーザー プロファイルを更新しても最大4時間待たないと検索結果に反映しないということ。
これは、SharePoint 2016 でも同様で、何より SharePoint Online も該当します。オンプレミスであれば、4時間おきですし、ファーム管理者が適宜必要なタイミングで増分クロールを実行することもできます。やっかいなのが、SharePoint Onlineです。こちらは、夜間は2時間おき、日中は最大8時間だそうですが、その日中が日本時間とは限らないため全く読めません。
結論としては SharePoint Online の場合は、ユーザープロファイルを更新してから結果が反映されるまで「一晩の寝かせる」くらいの感覚でいた方がよさそうです。漬物みたいですけどね。以前、SharePoint Online でユーザーの検索結果のカスタマイズを試していて、はまりまくりました。皆さんもお気を付けください。
[参考]
Microsoft Office Dev Center で先日アナウンスがあったオンプレミスの SharePoint で利用できる Responsive UI Package を試してみました。ちなみに、レスポンシブ Web デザインとは、利用する端末の種類を問わず、Webブラウザーの解像度に合わせて自動的にWebページのレイアウトを調整してくれる仕組みを持ったデザインのことです。
基本的な使い方等は下記の通り動画が公開されています。
概要
さて、このパッケージについて簡単に解説しておきましょう。
このパッケージは Microsoft 社が公開しているサンプルコード集である SharePoint Patterns & Practices (PnP) の一環として公開されています。PnPは GitHub 上で共有されています。GitHub から必要なファイル群をダウンロードすれば、パッケージの適用自体は、PowerShell で行えるようになっています。このレスポンシブWebデザインのパッケージは、JavaScript と CSS のみで動作するようになっており、既存のマスターページは一切手を入れていないというのが特徴です。適用対象はチーム サイトです。また、この機能を利用するにはサイトの拡張機能の一つである「モバイル ブラウザー ビュー」は非アクティブ化され利用できなくなります。
このパッケージでは、次の3つのレンダリングモデルをサポートしています。
スクリプトは jQueryを使っておりインターネット上の CDNを参照しているため、インターネット接続環境が必要です。インターネット接続環境が利用できない場合は、JQueryのクラスライブラリをダウンロードし、任意のライブラリに格納した上で、 PnP_Responsive-UI.js内にある参照パスをこれに書き換えます。
手順
検証した際の手順は次の通りです。ちなみに、各手順はすべて検証環境の SharePoint 上で行いました。
SharePoint 2013 でこのパッケージを利用するには最低限 2015年4月のCUが適用されている必要があります。これ以前だとPowerShell実行時にエラーとなります。現在使っているサーバーの状況を確認するには手っ取り早くビルドナンバーを確認してみましょう(SharePoint 2013 のビルドナンバー)。
GitHubから ZIPファイルをダウンロードします(ダウンロードリンク)。ダウンロードしたら、ZIPを解凍し、 Solutions フォルダ内の SharePoint.UI.Responsive フォルダーを開きます。
ちなみに、この中にある pnp_responsive_ui.css と PnP_Responsive-UI.js はPowerShellコマンドレット実行後に、目的のサイトの"サイトのリソース"ライブラリにアップロードされます。
続いて、OfficeDevPnP.PowerShellコマンドを利用できるよう準備します。これは次の URLからダウンロードできるためそのまま SharePoint 上で実行します。
OfficeDevPnP.PowerShell v15 package
最後に Windows PowerShell を使って、目的のサイトに UIを適用します。まず、PowerShell コマンドでSharePoint.UI.Responsive フォルダーにカレントを移動します。
次のようなコマンドを実行します。-TargetSiteUrl では目的のサイトコレクションのURLを指定します。オプション等は GitHub のページに記載されているので、そちらを確認してください。
PS C:\> .\Enable-SPResponsiveUI.ps1 -TargetSiteUrl "https://sp2013-b.contoso.com/sites/ResponsiveUiTest"
以上でSharePoint サイトがレスポンシブUIになります。
[デスクトップ] 通常のチームサイト表示のまま
[タブレット] サイドリンクバーが小さく折りたたまれ、検索ボックスの位置も変わる。また、本文も縦方向に並ぶ。
[スマートフォン] タブレットよりさらにコンパクトに!
使ってみて問題点などあれば、GitHubにてフィードバックするようにしましょう!