2014/11/18 に Office 365 Video が発表されました。ビデオ配信をしたい、というニーズはよく耳にしますが、現在の SharePoint 環境のメディアライブラリでは、ファイル管理、容量、帯域管理など課題が多いため、本格的なビデオ配信ができないのが現状です。そのため、個人的に注目している機能でして、今回特に記事にしてみました。
Office 365 Video は、Office 365 上の SharePoint サイトをビデオ ポータルとして活用できる機能です。
ビデオ ポータルでは動画をドラッグアンドドロップするだけで、コンテンツが公開できます。閲覧回数などもコンテンツごとに表示されます。
サポートされているビデオ形式は次のURLに公開されています。
公開したビデオコンテンツは検索も可能であり、Office Delve にも対応します。また、Yammer上でも共有が可能です。モバイルデバイスにも対応しているそうですが、詳細は現時点では不明です。
この機能が利用できるのは Office 365 Enterprise E1 と E3 のユーザーです。まずは Office 365 First Release カスタマーに提供が開始されたあと、2015年初頭にはワールドワイドで当該プランを利用しているユーザーが利用できるようになるようです (価格とサービス)。Office Delve と同時期ですね。
上記動画でも説明されていますが、コンテンツのストレージとメタデータは SharePoint Online 上で管理し、トランスコーディングやサムネイル作成は Azure Media Services を使用しているそうです。ただし、Azure Media Services 利用に関して追加コストは発生しません。ちなみに、現在の SharePoint のメディアライブラリは単純にファイルをアップロードし、そのまま再生するものですが、Office 365 Video はデータが変換されて公開されるため、ユーザーが単純にファイルをダウンロードしたりできるようにはなっていません。セキュアな管理がなされています。
このビデオ ポータルは1つのサイトとして作成しコンテンツを管理しますが、通常の SharePoint サイトとは管理の概念が異なります。ビデオおよびチャンネル設定できる管理者と単に閲覧するユーザーとにのみ分かれます。機能を確認した限り、動画単位でのアクセス権限は付けられないので、基本的にはサイト単位で公開先をコントロールするということになります(2015/2/17訂正 テナントごとに1つのみ作成できるようになっており、公開範囲はテナント単位です)。とはいえ、一般的には全社向けのビデオ ポータルとして利用するシーンが多いと思いますし、管理はシンプルであるに越したことはありませんので、個人的にはあまりネガティブな印象はもっていません。
※ちなみに、Office 365 Video はテナントごとに機能のオン、オフができます。