2014年11月

2014年11月20日 (木)

2014/11/18 に Office 365 Video が発表されました。ビデオ配信をしたい、というニーズはよく耳にしますが、現在の SharePoint 環境のメディアライブラリでは、ファイル管理、容量、帯域管理など課題が多いため、本格的なビデオ配信ができないのが現状です。そのため、個人的に注目している機能でして、今回特に記事にしてみました。

Office 365 Video は、Office 365 上の SharePoint サイトをビデオ ポータルとして活用できる機能です。

 

ビデオ ポータルでは動画をドラッグアンドドロップするだけで、コンテンツが公開できます。閲覧回数などもコンテンツごとに表示されます。

サポートされているビデオ形式は次のURLに公開されています。

公開したビデオコンテンツは検索も可能であり、Office Delve にも対応します。また、Yammer上でも共有が可能です。モバイルデバイスにも対応しているそうですが、詳細は現時点では不明です。

この機能が利用できるのは Office 365 Enterprise E1 と E3 のユーザーです。まずは Office 365 First Release カスタマーに提供が開始されたあと、2015年初頭にはワールドワイドで当該プランを利用しているユーザーが利用できるようになるようです (価格とサービス)。Office Delve と同時期ですね。

上記動画でも説明されていますが、コンテンツのストレージとメタデータは SharePoint Online 上で管理し、トランスコーディングやサムネイル作成は Azure Media Services を使用しているそうです。ただし、Azure Media Services 利用に関して追加コストは発生しません。ちなみに、現在の SharePoint のメディアライブラリは単純にファイルをアップロードし、そのまま再生するものですが、Office 365 Video はデータが変換されて公開されるため、ユーザーが単純にファイルをダウンロードしたりできるようにはなっていません。セキュアな管理がなされています。

このビデオ ポータルは1つのサイトとして作成しコンテンツを管理しますが、通常の SharePoint サイトとは管理の概念が異なります。ビデオおよびチャンネル設定できる管理者と単に閲覧するユーザーとにのみ分かれます。機能を確認した限り、動画単位でのアクセス権限は付けられないので、基本的にはサイト単位で公開先をコントロールするということになります(2015/2/17訂正 テナントごとに1つのみ作成できるようになっており、公開範囲はテナント単位です)。とはいえ、一般的には全社向けのビデオ ポータルとして利用するシーンが多いと思いますし、管理はシンプルであるに越したことはありませんので、個人的にはあまりネガティブな印象はもっていません。

※ちなみに、Office 365 Video はテナントごとに機能のオン、オフができます。

2014年11月19日 (水)

オンプレミスの SharePoint Server 2013 上では SharePoint Designer 2013 を使ってワークフローを構築できますが SharePoint 2013 用のワークフローを作成するには、Workflow Manager をセットアップする必要があります。

以前に関連記事を書いていますが補足として新たに Windows Server 2012 R2 上へのセットアップ方法などをまとめておきます。

Windows Server 2012 R2 上へセットアップするには Workfow Manager 1.0 CU 2 が必要です。

最新の更新プログラムなどは、Microsoft Web Platform Installer からインストール可能です。

今回の構成

今回のサーバー構成の概要は次の通りです。前回の記事とは異なる状態での検証として、SharePoint Server 2013 とは異なる専用サーバーに Workflow Manager をインストールします。ただし、Workflow Manager は以前の記事にも書いた通り、SharePoint Server 上にインストールすることもできます。

WorkflowTopology

Workflow Manager をインストールするサーバーの名前は WorkflowSrv.contoso.com であり、事前にWorkflow Manager で使用するデータベースを格納するために SQL Server 2012 も同一サーバーにインストールしています。OSは Windows Server 2012 R2 です。

セットアップ手順

以下の手順は WorkflowSrv 上で実行します。

  1. Webブラウザーを使って、Microsoft Web Platform Installer 5.0 のダウンロードサイト (http://www.microsoft.com/web/downloads/platform.aspx) にアクセスし、[Free Download] ボタンをクリックします。
    2014-11-13 23-32-46
  2. Wpilauncher.exe をダウンロードし、実行します。
  3. Workflow Manager 1.0 Refresh, Service Bus 1.0, Service Bus 1.0 Cumulative Update 1 を追加し、インストールします(Workflow Client 1.0 Reflesh は Workflow Manager 1.0 Reflesh に含まれています。また Workflow Manager 1.0 Refresh には CU 2 が含まれています)。
    2014-11-13 18-23-042014-11-13 18-24-18

  4. [同意する]をクリックします。
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  5. IIS を含め、インストールが開始されます。
    2014-11-13 18-28-14

  6. [続行]ボタンをクリックします。
    2014-11-13 18-29-41
  7. [既定の設定を使用して Workflow Manager を構成する (推奨)] を選択します。
    2014-11-13 18-32-26
  8. SQL Server インスタンス名を確認します。接続のテスト ボタンをクリックし、接続が成功することを確認します。
    2014-11-13 18-32-49

  9. サービス アカウントとパスワードを指定します。今回は HTTP による管理を許可するよう構成しています。
    2014-11-13 18-33-21
  10. 最後に証明書生成キーを指定します。
    2014-11-13 18-33-51
  11. 内容を確認し、下記のボタンをクリックします。
    2014-11-13 18-34-16
  12. 構成が進行します。
    2014-11-13 18-34-47
  13. 構成が完了したら、レ ボタンをクリックします。
    2014-11-13 18-37-18
  14. Web Platform Installer 5.0 で [完了]ボタンをクリックします。
    2014-11-13 18-30-29

以上、Workflow Manager のインストールは完了です。

後は、SharePoint サーバー側から Windows PowerShell を使って、Workflow Manager とのペアリング コマンドレットである Register-SPWorkflowService を実行します。しかし、このまま実行すると次のようなエラーが表示されるはずです。

2014-11-13 18-45-54

Workflow Manager 側は既定の設定では、自己証明書を生成してWebサイトに適用してしまうためです。検証環境には Domain Controller 上に Windows ベースの CA (エンタープライズCA) を構築しているため、次のような手順でWebサーバー証明書を改めて取得し、サイトに適用します。

WofkflowSrv 上で IIS管理マネージャーを起動して次の手順を実行します。

  1. サーバー証明書 をクリックします。
    2014-11-13 18-42-03
  2. [ドメイン証明書の作成]をクリックします。
    2014-11-13 18-43-29

  3. 一般名をはじめ、必要な情報を入力します。[次へ]をクリックします。
    2014-11-13 18-44-18

  4. オンライン証明機関の指定で [選択...] をクリックします。
    2014-11-13 18-44-28
  5. 証明機関を選択し、[OK]をクリックします。
    2014-11-13 18-44-37
  6. フレンドリ名を指定し、[終了]をクリックします。
    2014-11-13 18-44-54
  7. 下図のように証明書が取得できたところを確認します。
    2014-11-13 18-45-08
  8. Wofkflow Management Site を右クリックし、[バインドの編集...] をクリックします。
    2014-11-13 18-45-39
  9. https エントリーを選択し[編集]をクリックします。
    2014-11-13 18-46-05
  10. SSL 証明書を新たに取得したもの (下図では SharePointWorkflow) を選択し、適用します。
    2014-11-13 18-46-23

以上、WorkflowSrv 側の設定は管理用です。

あとは、SharePoint Server 側で次のコマンドを実行し、ペアリングを行います。


Register-SPWorkflowService -SPSite 'https://sp2013-b.contoso.com/' -WorkflowHostUri 'https://workflowsrv.contoso.com:12290' -AllowOAuthHttp

 

 

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2014年11月18日 (火)

オンプレミスでのワークフローに関するトラブルシューティング情報です。

問題の再現方法

SharePoint Designer 2013 を使って、SharePoint 2013 ベースのワークフローを作成する際に、[タスク プロセス を開始するアクション] をワークフローのステップ内に組み込みます。発行を行おうとすると次のようなエラーが発生します。

2014-11-13-WorkflowError

[メッセージ内容]

 Microsoft.Workflow.Client.ActivityValidationException: 次のエラーが原因でワークフロー XAML の検証に失敗しました:
Cannot set unknown member 'CompositeTask.PreserveIncompleteTasks'. サーバーから受信した HTTP ヘッダー - ActivityId: 6aad598b-bfe6-4315-83b0-5997cd5eb45b。NodeId: SP2013-A。Scope: /SharePoint/default/f8c23954-d30f-4cce-bf4f-7cd18cac3dfb/224fee94-daee-44cb-9c6c-68ba94e31f30。 クライアントの ActivityId: '2a91cb9c-93db-90cf-90b6-386f0782a06

対処方法

上記のようなメッセージが出る場合は、Windows PowerShell を使って Workflow サービスを再登録します。


Register-SPWorkflowService -SPSite 'サイト コレクションのURL' -WorkflowHostUri 'ワークフローホストのURI' -AllowOAuthHttp -Force

検証環境では SharePoint と Workflow サービスが同居しているので、たとえば、次のように記述します。


Register-SPWorkflowService -SPSite 'https://sp2013.contoso.com/' -WorkflowHostUri 'https://sp2013.contoso.com:12290' -AllowOAuthHttp -Force

Register-SPWorkflowServiceの詳細は次の記事を参照してください

 

 

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2014年11月17日 (月)

遅ればせながらの情報共有ですが、Office 365 と Microsoft Dyanmics CRS サービスが日本国内でホストされるようになると発表されています。

Office 365 はカレンダーイヤーでの年末には利用可能になり、CRM Online は 2015 Q1の終わりごろになるそうです。

Office 365 will be available by the end of this calendar year and CRM Online by the end of Q1 2015.

This is particularly important in industries such as healthcare, financial services and government where organizations need to keep their data in country to comply with local regulations.

既存の Office 365 の顧客に関しては APC から Japan へとデータ移行を順次していくようですね。

オンプレミスでのトラブルシューティング情報です。

PowerPivot Service Application を構成すると PowerPivot の管理者ダッシュボードが利用できるようになります。しかし、下図のようにエラーが表示されることがあります。

2014-11-13 16-32-50

これは PowerPivot Services Application のアプリケーション プール アカウントが サーバー全体管理サイトの データベースに対して適切な権限が付与されていないためです。

解決方法

  1. SQL Server Management Studio を起動し、SharePointで使用している SQL Serverにアクセスします。
  2. SharePoint_AdminContent_<GUID> データベースを展開し、[セキュリティ]>[ユーザー]の順にアクセスします。PowerPivot Service Application で使用しているアプリケーション プールアカウントのプロパティを開きます。※私の環境では spservice というアカウントを使用しています。
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  3. メンバーシップページで、SPDataAccess データベース ロールを選択し、[OK]をクリックします。
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以上で手順は終わりです。再び管理ダッシュボードにアクセスすると正常に表示されるようになります。

2014-11-13 16-41-32

 

 

 

SP2013-BI-Course