2016年2月 8日 (月)

Office Online Server (OOS) のインストールと構成

July 15, 2016

製品版の手順に書き直しました。

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オンプレミス環境で従来使われてきた Office Web Apps サーバーは、今年リリース予定の次バージョンでは名称が変わり「Office Online Server (OOS)」と呼ばれます。このサーバーは従来通り、Word, PowerPoint, Excel, OneNote をブラウザー上で表示したり編集したりできるようにする機能を提供します。

オンプレミス版の SharePoint 2016 と Exchange 2016 はOSSと共に動作するように設計されています。新たな追加機能や改善での主だったところは次の通りです。

  • SharePoint の Enterprise Edition に含まれてきた Excel Services は OOS に吸収される
  • 同時編集サポートの改善
  • パフォーマンスと安定性の改善

OOS のインストールと構成

基本的に OOS のインストール手順は従来の Office Web Apps サーバーの場合と変わりません。SharePoint 2016 や Exchange 2016 では OOS が必要になりますが、SharePoint 2013 との互換性も備えているため、既存の SharePoint 2013 と共に利用することも可能です。

インストーラーの入手

各言語パックが提供される予定ですが、現在の提供は英語版のみとなっているようです。また SharePoint 2016 は 2016年1月に Release Candidate バージョンがリリースされましたが、OOSに関しては 2015年9月リリースの Priview 版のみで、現在までに新しいバージョンは提供されていないようです。

現在製品がリリースされていますので、MSDN もしくは正規のボリュームライセンス プログラムから入手する必要があります。言語パックも提供されています。

インストールと構成手順

検証環境構築時の手順を備忘録として下記に掲載しておきます。

事前に把握しておくべき項目は次の通りです。前述の通り基本的にOffice Web Apps Server 2013 と同様です。

  • 最小ハードウェア要件は SharePoint Server 2016 と同様である
  • サポートする OS は Windows Server 2012 R2 (64bit) のみ
  • Excel Online 機能を使って外部データアクセスする場合は、外部データソースを利用するユーザーと同一の Active Directory フォレスト内に OOS を設置する
  • このサーバーには、OOS 以外のサーバーアプリケーションをインストールしない
  • ポート80, 443, 809 を利用するようなサービスはインストールしない
  • OOS にはいかなるバージョンの Office クライアントもインストールしない
  • ドメインコントローラー上にインストールしない

上記の条件を満たす Windows Server を準備したら以下の手順でセットアップしていきます。

  1. 管理者アカウントで OOS サーバーとなる Windows Server にログオンする。
  2. Windows PowerShell を使って次のコマンドを実行し、Windows サーバーの機能と役割を追加する。

    Install-WindowsFeature Web-Server, Web-Mgmt-Tools, Web-Mgmt-Console, Web-WebServer, Web-Common-Http, Web-Default-Doc, Web-Static-Content, Web-Performance, Web-Stat-Compression, Web-Dyn-Compression, Web-Security, Web-Filtering, Web-Windows-Auth, Web-App-Dev, Web-Net-Ext45, Web-Asp-Net45, Web-ISAPI-Ext, Web-ISAPI-Filter, Web-Includes, InkandHandwritingServices, Windows-Identity-Foundation
  3. 再起動のメッセージが表示されたら再起動する。
  4. 次のソフトウェアを追加インストールする。
    ※.NET Framework 4.5.2 (日本語) をインストールする際に下記のようなメッセージが表示されますが、[はい]をクリックし、インストールを続行します。最後に再起動が必要です。
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  5. Office Online Server の Setup.exe を実行する。
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  6. 「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意します」をオンにし、[続行] をクリックする。
    2016-05-11 1-22-30
  7. インストール先のドライブ等を確認し、「今すぐインストール」をクリックする。※インストールは数分で終わります。
    2016-05-11 1-23-45
    2016-05-11 1-24-05

  8. [閉じる]をクリックする。
    2016-05-11 1-25-13

以上でインストールは完了です。

Excel Online 上で外部データアクセス時に Kerberos 制限付き委任の認証を行いたい場合は、サービスから Windows トークン サービスに対するクレーム (Claims to Windows Token Service) を 自動開始にしておきます。このサービスは SharePoint 側 (SharePoint 2010以降) にも存在しており、Excel Services の移管に伴いOffice Online サーバーにも配置されるようになったようです。

2016-02-07 10-02-20

続いて追加構成を Windows PowerShell で行いますが、HTTP または HTTPS のいずれかで接続できるように構成する必要があります。私の検証環境では、HTTPS での接続を行います。事前にドメインコントローラーを証明書サーバーとして構成してあるためこれを使います。※証明書発行云々は割愛

  1. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャーを起動する。
  2. 左のノードからサーバー名をクリックし、[サーバー証明書]をクリックする。
    2016-02-07 10-07-16
  3. 操作メニューから[ドメイン証明書の作成]をクリックする。
    2016-02-07 10-09-08
  4. 識別名のプロパティを入力する。
    2016-02-07 10-15-51
  5. オンライン証明機関の指定やフレンドリ名を指定する。[終了]をクリックする。
    2016-02-07 10-10-32
  6. 証明書が取得できる。
    2016-02-07 10-16-21

  7. サイト > Default Web Site の順に展開し、[バインドの編集] をクリックする。
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  8. サイト バインドの画面で[次へ]をクリックする。
    2016-02-07 10-13-40
  9. 種類を https とし、取得した SSL 証明書を指定する。[OK] をクリックする。
    2016-02-07 10-14-00
  10. [閉じる]をクリックする。
    2016-02-07 10-14-11

IISサイトに SSL証明書を設定したら、PowerShell を使って次のコマンドを実行する。

New-OfficeWebAppsFarm -InternalUrl "https://wac2016.contoso.com" -ExternalUrl "https://wac2016.contoso.com" `
-CertificateName "OfficeOnlinePreview" -EditingEnabled

2016-02-07 10-42-47

最後に動作確認のため、次のURLにアクセスする。※サーバー名は適宜置き換える
https://wac2016.contoso.com/hosting/discovery

結果として下記のようなXMLデータが取得できればよい。

2016-02-07 10-43-46

続いて SharePoint の側から次の SharePoint 2016 管理シェルを使って次のコマンドを実行し OOS にバインドする。

New-SPWOPIBinding -ServerName wac2016.contoso.com

2016-02-08 13-04-21

Excel Online や Excel Web パーツでのスケジュールされた更新を行う場合は、次のスクリプトを実行する

$Farm=Get-SPFarm
$Farm.Properties.Add("WopilegacySoapSupport", '
"https://wac2016.contoso.com/x/_vti_bin/ExcelServiceInternal.asmx")
$Farm.Update()

以上の設定が終わったら OOS が動作するか確認します。

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Excel Services の機能が OOS に移動したので、ユーザーにとってはわかり易くなったと思いますが、管理画面がなくなり
すべて PowerShell になってしまうので、Excel Services にあまり詳しくない方にはハードルが上がったように思います。

Excel Services の単独コースを復活させようかしら?

[参考情報]

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