関連記事
- Microsoft Ignite 2018 Orlando
- Microsoft Ignite 2018 - SharePoint 関連の最新情報 (1) ←この記事
- Microsoft Ignite 2018 - SharePoint 関連の最新情報 (2)
Microsoft Ignite 2018 でも SharePoint 関連に関する最新情報が数多く出てきました。取り急ぎ、気づいたところをまとめてみます。ちなみにすべての関連セッションを閲覧しているわけではないので、また別途、書き足す部分があれば別の記事にして公開する予定です。
そもそも、今年は最初に2018年5月に 米国ラスベガスで開催された、SharePoint Conference 2018 内で公開された SharePoint Virtual Summit でSharePoint の最新情報が公開されましたが、それを補足する形になっているように感じます。では一通り新機能を見ていきましょう。
新しい Teamwork in Microsoft 365 の図
昨年の Ignite で Yammer と Teams , Outlook の関係性を示した図が公開されましたが、少し新しくなりました。主な違いは中核に SharePoint だけでなく、Microsoft Stream が配置されたことです。
次はSharePoint と他のOffice 365 における情報アーキテクチャの関係性を示す図。
カスタマイズ
カスタマイズ関連から見ていきましょう。
列の書式
既にモダンUIのリストやライブラリでは列の書式が利用できるようになっていますが、ようやくJSONを直接書くことなく、Excelの条件付き書式のようにもっと楽に設定できるようになります。対象の列は選択肢、日付、はい/いいえ 列です。
PowerAppsによるカスタマイズ
既にカスタム リストは PowerApps によるカスタマイズが可能ですが、ドキュメント ライブラリも PowerApps でカスタマイズできるようになります!
ビューの書式
さらに「ビューの書式」も投入。ビューごとにアイテム行単位で丸っと表示をカスタマイズできます。
ちなみにビューの書式に関しては対象リリースから順次、既に利用できるようになっいます。
ビューの書式については資料が次に公開されています。
ビューの書式設定を使用して SharePoint をカスタマイズする
リストのプロパティ Webパーツ
あと「リストのプロパティ」Webパーツというものが投入されます。昔のSharePointを知っている方にとってはビューのスタイルの一つである「プレビュー」と似た機能です。リスト ビューWebパーツをサイトページ上に同時に配置し、リストビューWebパーツ側のアイテムを選択すると「リストのプロパティ」Webパーツにそのアイテムの情報が縦方向に表示されます。
リマインダー設定
リストの日付列をもとに「リマインダーを設定する」というMicrosoft Flowテンプレートが使えるようになってます。ただし、これはライブラリでも使えるのでリストに限った話ではありません。これを作りたいけど、作り方がわからないという方も多かったので朗報ですね。
ニュース/ページ
従来の「お知らせ」リストに変わるのがニュースです。ニュースはサイトページの一種です。
ピン留め/並び替え
ニュース記事をピン留めしたり、並び変えたりが容易にできるようなります。
公開対象ユーザーの指定
あとはニュースごとに「ページの詳細設定」から公開ターゲット(Audience) が設定できるようになります。ニュースだけでなく、ページ、Webパーツも対象とのこと。
ページのテンプレート
サイトページを作成する際にテンプレートから作成できるようになります。
パーソナライズされたWebパーツ
ログインユーザーが最近アクセスしたサイト、ドキュメント、ニュースなどを表示するWebパーツが登場します。
カウントダウン タイマー Webパーツ
画像はありませんが、情報によると何らかのイベントまでのカウントダウン タイマーWebパーツが投入されるとのこと。
ロードマップ
ページやWebパーツ、ニュースに関しては他にも盛沢山です。ロードマップを参照のこと。
SharePoint リスト
色々と変更点があります。
列の位置変更
まず地味なではありますが、列をドラッグ&ドロップで移動できるようになります。私のテナントではすでに利用できるようなっていました。
列ごとの合計値、最大/最小値、平均値など
またモダンUIになると列ごとの合計数,平均値, 最大値などが出せなくなっていましたが(クラシックUIでは可能)、これがようやく対応します。画面下部に表示されるようなります。
リスト作成
リスト作成のUIが変わり、より作りやすくなります。Excel のテーブルから作成できるほか、任意のサイトのリストをもとに新しいリストを作成できるようになります。従来のリストテンプレート作成は不要になりそうです。
ちなみに、現在 Excel からテーブルをインポートしてリストを作成する機能がありますが、ActiveX に縛られているためInternet Explorer でないと使えませんし、生成してもモダンUIにはなりません。これがようやく対応することになります。
Location 列
Location 列が新たに投入されます。従来のLocation列とはまた別です。従来のLocation列は緯度経度の情報が必要でしたが今回はBing mapがベースであり、住所も利用できるようです。
大きなサイズのリストやライブラリ
予測可能なインデックスの恩恵で現在2万弱までアイテム数がサポートされていますが、ようやく仕様上の上限である 3000万アイテムまでサポートされるようになります。2018年Q4中ということなので、年末までには利用できるようになります。去年発表があった予測可能なインデックスをあらゆるサイズのリストに適用できるようになるためです。
ちなみに、アイテム数が多くなれば画面を下の方へとスクロールするすることになりますが、現在はタイトル行が移動してしまいうため列名が分からなくなることがあります。しかし今後はタイトル列の表示位置が固定されるようになります。Excel のウィンドウ枠の固定と同じような操作感になります。
ロードマップ
今後のロードマップは次の通り。
関連セッション
リストに関連するセッションとしてお勧めなのが次のセッションです。本記事にまとめを書いてはいますが、録画が公開されているため時間があればデモ部分だけでも見てみることをお勧めします。
サイトブランディング&サイトデザイン
次はサイトの見栄えのカスタマイズに関して確認していきましょう。
タイトル部分のカスタマイズ
タイトル部分のデザインをカスタマイズできるようになります。
また動画も配置できます。下記の図をクリックして拡大してみてください。
セクション背景
モダンUIのページにセクション背景が追加できるようになります。これで随分見栄えが変わりますね。
ヘッダーのカスタマイズ
ヘッダーもカスタマイズできるようになります。まず色合いが変えられる。
それから複数のオプションから表示形式が選べるようになります。
Minimal Header
Compact Header
Strongly branded
ちなみにロゴも透過画像を従来より大きなサイズで追加できるようになっています。
メガメニュー
またトップリンクバー部分にはメガメニューと呼ばれる、幅広のメニューが作成できるようになるようです。従来の SharePoint で要望が多かった機能でようやく実現されます。
サイトナビゲーション
現在チームサイトではサイトナビゲーションは左側、コミュニケーションサイトでは上部にサイトナビゲーションが表示されています。今後、この表示方向を自由に変更できるようになるようです。
フッター
従来SharePointではフッターの追加は骨の折れるカスタマイズの一つでしたが標準で利用できるようになります。
中央管理されたアセット ライブラリ (CAL)
画像などのリソースを組織として集中管理できるように「中央管理されたアセット ライブラリ」が利用できるようになります。アセット ライブラリは耳慣れないかもしれませんが、日本語では「サイトのリソースライブラリ」となっています。これならチームサイト内の既定のライブラリとして目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。ですから、翻訳は「中央管理されたリソース ライブラリ」となるかもしれませんね。
サイトスクリプト
SharePoint サイトのテンプレート化は従来とは異なり、新しいアプローチでは「チームサイト」をベースに新規にサイトを作成したあとでスクリプトを実行します。このスクリプトをサイトスクリプトと呼びます。サイトスクリプト自体は今年の1月から利用できるようになっているため目新しくはありません。
ちなみに、このサイトスクリプトは Modern UI にだけ適用できるのかと思っていましたが、クラシックなチーム サイトでもPowerShellスクリプトから適用できます。
またリストからサイトスクリプトを自動生成できる Get-SPOScriptFromList コマンドが利用できるようになります。リスト作成まで自動化したい場合は、これまでは自前で設定情報を JSON形式で用意していましたが、これが利用できると既存リストをそのままコピー作成できるので、うれしい機能と言えます。
サイトデザインをサイトスクリプト共に複数用意しておくことで、既存サイトに対して別のサイトスクリプトをいつでも適用できます。ちなみに歯車アイコンをクリックしたときのコマンドメニューも今後、次の図に示すように見た目が変わります。この画面内の 「Site Design」クリックすることでデザインを適用できるようになります。
サイトスクリプトは1月時点と比べると対応するアクションがかなり増えました。オレンジ部分は初期からあるアクションです。青い文字が新たなアクション。
ロードマップ
サイトブランディングとサイトデザインに関するロードマップです。
サイトデザインおよびサイトスクリプトについて予備知識のない方は下記のURLを参照してください。
SharePoint site design and site script overview
関連セッションの録画は次の通り。
コミュニケーションサイト
コミュニケーション サイトは全社ポータルに適したサイトです。
テナントのルートサイトとしてコミュニケーション サイトを指定できるようになります。その時に利用するコマンドが Enable-CommSite 。詳しい情報は追って公開されるようです。
SharePoint ハブ
SharePoint ハブの最新情報もなかなか興味深いものが増えます。
ハブに関連づいた任意のサイトからのニュースの集約
ニュースWebパーツの設定項目が増えます。現在、ハブに関連づいたすべてのサイトからニュースを取得しますが、サイトを選択できるようになります。またハブに参加していない任意のサイトのニュースも集約できます。
イベント
ハブに関連づいている複数のサイトからイベント(予定表リストのイベント)を集約できるようになります。
ハブサイトからハブに関連づいたサイトを作成する
ハブサイト内から新たにハブサイトに関連づいたサイトを新規に作成できるようになります。
承認フロー
ハブに参加する際にMicrosoft Flow を使った承認フローを実行することも可能です。
ロードマップ
ハブサイトに関するロードマップは次の通りです。
検索
検索機能も多くのアップデートがあります。
Microsoft Search
新しい検索機能として Microsoft Search のパブリック プレビューが開始されました。Office 365 で利用できます。Microsoft Graphと Bing.com の検索機能を組み合わせたサービスです。
見た目も BINGっぽいですね。
SharePointでは従来、エンタープライズ検索センターサイトを使って複数のサイトコレクションやユーザープロファイルなどを横断的に検索できるようにしてきました。しかし、これからは Teams や Yammer も含めて1箇所から横断的に検索できる必要があります。Microsoft GraphはOffice 365 の様々なサービスにアクセスするためのAPIであり、これを利用できれば、SharePoint 以外の情報にもアクセスできる。ということで、Microsoft Search を利用することで、様々な情報を検索できるようになります。利用してみた結果はまた別の記事で紹介することにしたいと思います。
ちなみに、この検索機能は、今後、SharePointサイトの上部のスイートバー部分に表示されるようになるそうです。
スイートバー部分の検索ボックスは「ユニバーサル検索」というようです。
Microsoft Search は既にロールアウトが開始されていますが、残念ながら日本はまだです。Microsoft 365 管理センターに下記のメッセージが届いていました。
With Microsoft Search, we’re introducing new organizational search experiences into the apps you use every day, including Bing.com and Windows, and our vision is to connect across your organization’s network of data. We’ll begin rolling this opt-in preview out starting today beginning with organizations located in EN locales, and the rollout will continue to other regions thereafter.
ENロケールが先で、残りのリージョンはそのあと後とのこと。早く試したいところですが、いったんお預けです。
検索の拡張
また検索の拡張についても情報がようやく出てきました。
写りが悪いので書き出しておきます。訳しにくいのでそのまま。
- Leverage SPFx and its dev chain
- Customize search suggestion
- Add new vericals for high value entities
- Use adaptive cards to display new entities
- Azure Search - custom web apps
新機能のロードマップ
ビジネス アプリとして追加される主な新機能については次のURLにも情報が公開されています。
Reinventing SharePoint business process at Ignite 2018
一部転記&簡易翻訳しておきます(時間がないので途中までになっていますが、、、)。
- 簡単なリスト作成 – 既存リストやExcelテーブルから新しい SharePoint リストを作成する [Coming Q4 2018]
- 予測可能なインデックス – あらゆるサイズのリストやライブラリにインデックスを追加し、3000万アイテムまで利用できるようになる [Coming Q4 2018]
- Location 列– リストやライブラリに追加できる場所に関する列。緯度経度、住所、郵便番号などを指定できる [Coming Q4 2018]
- 条件付き書式 – Add conditional color coding to SharePoint columns without using scripting [Coming Q4 2018]
- View formatting – Cut and paste scripts to create conditional formatting and immersive experiences for any list or library [Rolling out now]
- SharePoint pages and lists in Microsoft Teams – Simply browse and add any SharePoint lists or library as a tab to any channel in Microsoft Teams [Rolling Out to Targeted Release]
- Flow for document management – Use Microsoft Flow to move and copy files in Office 365, and generate shareable links [Coming Q4 2018]
- Flow for site management – Use Microsoft Flow to build approval processes to join a SharePoint site to a hub site [October 2018]
- PowerApps support for rich text fields – Use PowerApps to view and update rich text stored in SharePoint formatted text columns [October 2018]
- PowerApps forms in SharePoint Mobile -- Link directly to list and library PowerApps-based forms while browsing lists and libraries in the SharePoint mobile application [Coming Q4 2018]
- US GCC Cloud Support for PowerApps and Flow - Run PowerApps and Flow solutions in tenants on the U.S. GCC sovereign cloud [October 2018]
- Forms file upload for groups – Allow authenticated users of Microsoft Forms connected to a group to upload file attachments to OneDrive and SharePoint [Coming 2019]
- PowerApps Auditing – Track PowerApps administrative actions inside the Office 365 audit center [Q4 2018]
管理面
SharePoint Onlineでは既に「新しいSharePoint管理センター(プレビュー)」が利用できるようになっています。このプレビューはさらに「Early Priview(早期プレビュー)」版が対象リリースユーザーに展開されており、様々な新機能が利用できるようになってきています。技術セッションではまだ展開されていない機能も含めていくつか収穫がありました。
Multi-Geo
まず、Office 365 クループとSharePointが Multi-Geo 対応になります。2018年末までにプライベートピレビュー、2019年Q1に GA という流れになるようです。
詳しくは次のURLを参照してください。
Introducing Multi-Geo in SharePoint and Office 365 Groups
ハブサイト
これまで PowerShellでのみ指定できていたハブサイトの指定が管理センターからできるようになります。
サイトコレクションのURL変更
サイトコレクションのURLが変更できるようになります。
管理センターに関するロードマップ
管理センターに関するロードマップですが、写りが悪いのでスクリーンショットの下にメモ書きしておきます。
「2018年末まで」※取り急ぎの訳
- サイト管理の強化
- SharePoint管理者の役割特権
- Multi Geo 管理者エクスペリエンス
- 新しいポリシー (共有とアクセス)
- 新しい設定
- ハブサイト管理
- 分類管理
- サイト強化の作成
「今後」
- 追加のエクスペリエンス強化(一括操作、サイト名やURL変更)
- OneDrive 管理エクスペリエンスの強化
- ユーザープロファイル、検索、用語セットなど
- クラシックな SharePoint 管理センターサイトの廃止
コメント