2019年2月16日 (土)

[SharePoint Online] サイトページとニュースの違い

モダンサイトでは「お知らせ」リストよりも「ニュース」ページ(投稿)を使った方が次のようなメリットがあります。

  • お知らせリストのように幅の狭い画面ではなく、広々とした画面に素早く見栄えよくコンテンツを掲載できる
  • 「ニュース」Webパーツを使うことで複数サイトから見栄えよくニュースを集約表示できる(サイトコレクションも横断可能)
  • 記事を "後で読む" ための「しおり」の機能がある
  • どれだけ参照されたか「ビュー」が分かる
  • コメント機能がある
  • いいね機能がある
  • 見栄えのよいリンクを素早くメールで関係者に送信できる
  • モダンサイトの検索ページでは「ニュース」別に検索できる
  • SharePoint モバイルアプリから最新ニュースを素早く確認できる
  • 最新のWebパーツも追加できる

[SharePointハブになっている場合のニュースWebパーツの例]

2019-02-16_19-15-36

[検索結果]

2019-02-16_19-19-38

以上のようなメリットがある「ニュース」ですが、ニュースページは「サイトページ」です。では何がどう違うのか、順を追って説明しましょう。

Wikiページとサイトページ

サイトページはサイト作成時に自動生成される「サイトのページ」ライブラリにのみ作成できます。このライブラリはモダンサイトでは既定で用意されるサイドリンクバーの「ページ」リンクからアクセスできるようになっています。

2019-02-16_18-24-02

このライブラリは従来 Wikiページ ライブラリと呼ばれていたものです。書籍などでも紹介していたようにWikiの語源であるハワイのイメージから "ハイビスカス" であろう花のアイコンが象徴的でした。Wikiページは新たに Wikiページライブラリを作成することで異なるライブラリに仕分けて作成できました。しかし、「サイトページ」は自動生成される「サイトのページ」ライブラリ内にしか作成できません。つまりサイトごとに1箇所に集約されるのです。これもあってかモダンサイトでは「サイトのページ」ライブラリは "ページ ライブラリ" というカテゴリとなり、アイコンは通常のライブラリのアイコンと同じになっています(クラシックサイトの発行機能がリニューアルして、このサイトページになっているので、用語が似ているので混乱しそうですが)。

2019-02-16_18-28-44

ところで余談ですが、"サイトページ"を作るにはサイトのフィーチャーである「サイト ページ」がアクティブになっている必要があります。クラシックなチームサイトを使っている場合にサイトページが作れないなぁと思ったら、このフィーチャーが非アクティブになっているかもしれません。

2019-02-16_18-31-15

ニュースとサイトページ

サイトページが「サイトのページ」ライブラリに作成されることを説明しました。ニュースページはサイトページだとも説明しました。ニュースページとは「ニュース記事だよ」というフラグが設定されているサイトページです。このフラグを目印に「ニュース」Webパーツはサイトページをニュースとして収集します。

フラグの設定方法

フラグの設定方法は主に2つあります。一つはサイトページを昇格すること。もう一つは最初からニュースとしてページを投稿すること。

たとえばサイトページを作成してみます。サイトページはホームページの[新規]から素早く作成できるようになっています。

2019-02-16_18-41-15

発行すると、画面上部にある「レベル上げ」メニューが利用できるようになります。

2019-02-16_18-52-17

「はて、レベル上げとは? 」と少しかんがえてしまう方も少なくないでしょう。英語で言うところの Promote (プロモート)です。つまり、このページをいかに広く伝播していくか。そういうメニューです。ですから、ユーザーがすぐにアクセスできるようにサイトのナビゲーションに追加したり、ニュースとして投稿したり、メールで送信したりといったプロモーションをすぐに行えるようになっているわけです。さて、ここで「このサイトのニュースとして投稿」をクリックすることで、ニュースとしてのフラグが設定されるようになっています。ちなみにニュースをもとのページに戻す Demote 機能はありません。

最初からニュースとして投稿するには、ホームの[新規]から[ニュースの投稿]を選択したり、ニュースWebパーツから[ニュースの投稿]を選択してページを作成すると最初からニュースとしてのフラグが設定された状態になります。

2019-02-16_18-58-23[ニュースWebパーツから作成する例]

ところでこのフラグ、どこで確認できるのでしょうか? 答えは先ほどの「サイトのページ」ライブラリです。このライブラリで既定では表示されていないシステム列である「昇格した状態」を追加表示してやることで確認できます。手順は次の通りです。

一般的なサイトページは 値が 0 。ニュースになると 2 が設定されます。ホームページに設定されているページは 値が空です。なお、この列の値は直接編集はできません。

小技

どうしてもこのフラグを 0 に戻したいときの裏技をご紹介しておきましょう。この列でグループ化表示してドラッグ&ドロップするだけです。

と言っても、この機能が必ずしもいらないでしょう。サイトページもニュース記事もWikiページと違い標準機能としてコピー作成できるので、デモ―トしたい記事があれば一旦コピー作成して下書き保存しておき、公開した記事を削除すれば速やかに記事を差し替えられます。

コメント

過去記事への質問すみません。
ニュースを普通のページに降格する方法を検討しており、記載の「小技」を発見して試したのですが、ドラッグアンドドロップが出来ませんでした。

ドラッグアンドドロップ操作に必要な設定はございますか?
あるいは、アップデートによりドラッグアンドドロップの操作が出来なくなったのでしょうか。

私が試した環境は以下です。
サイト:SharePointOnline コミュニケーションサイト
ライブラリ:サイトのページ
ビュー:既定のビュー

ご確認頂けますと幸いです。

pen さん、ご指摘をありがとうございます。この小ネタを書いていたこと自体すっかり忘れていました。結構はやくにこのワザは使えなくなっています。
妥当な対応策としては、管理者なら SharePoint PnP PowerShellを使って設定したり、Power Automate を使って SharePoint REST API 経由で設定変更できますが、もう少し手ごろなところだと Microsoft MVPのてっちゃんさんが公開されている列の書式を使ってやるのが、一番簡単かなと思います。ご参考まで。
https://github.com/pnp/List-Formatting/tree/master/column-samples/promotedstate-demote-news

ご返信頂きありがとうございます!ブログ記事をよく拝見して参考にさせて頂いています。

そうだったのですね、、GUI上で簡単にできるのであれば便利だったのですが、使えなくなっていたのですか。
PowerShellやPower Automateでは可能とのこと、試してみようと思います。

列の書式でもできるのは便利ですね、、!また、3点リーダも増やせるんですね、、列の書式の可能性を感じました、ありがとうございます!

SharePoint Sererでは記事のグループ移動が利用出来ますね。
SharePoint Online ではてっちゃんさんの列の書式ですね。

ニュースから普通のページへの移行は標準機能で出来るようになればと思いますね。
助かりました!!