2026年5月 4日 (月)

SharePoint ナレッジ エージェントからAI in SharePointへ

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2025年9月に発表された SharePoint のナレッジエージェントですが、2026年3月3日付で新たに「AI in SharePoint」へと名称が変わり機能面でも大幅にアップデートされました。ちなみに、2026年4月30日時点ではこの機能はパブリックプレビューです。

これまではSharePoint 上の情報を AI を使って探したりメタデータを付与しながら整理するといったところに焦点が当たっていました。しかしAI in SharePoint では様々なタスクも実行できるようになっています。つまり、これまでのように既存コンテンツをAIで整理するだけでなく、新たにコンテンツを基盤から作成できます。

この記事では新たに追加された機能を2026年4月30日時点のパブリックプレビューをベースにまとめています。一部、イメージしやすいようにデモしているビデオを適宜追加し、公式に公開されている情報を日本語で少しまとめたりしてみました。ビデオは取り急ぎ撮影したものなので、ほとんど手間をかけていませんが、実際の操作感が伝われば十分かなと思っています。

利用条件

従来のSharePoint のナレッジエージェントの利用条件は、Microsoft 365 Copilot (Premium) ライセンスがユーザーに付与されていることと、テナントまたはサイト単位でのナレッジエージェントのオプトインを行うことでした。オプトインは組織の管理者がPowerShellを使って行います。当時の基盤モデルはGPTでした。

今回新しくなった AI in SharePoint はすでにナレッジエージェントをオプトインしていれば、そのままの状態で新しい機能が使えるようになります。ただし、新機能は基盤モデルが Anthropic の Claude がベースとなるため、組織テナントで Anthropic をサブプロセッサーとして許可しておく必要があります。2026年3月末までのアップデートで何もしなければ既定で Anthropic はオンになるため、必要に応じて、Ai in SharePoint のオプトインをナレッジ エージェントと同様に PowerShellコマンドで有効にする必要があります。

なお、Anthropic をサブプロセッサーとして許可しない場合は、従来のナレッジエージェントと同様に GPT ベースで動作します。ただし、一部の機能は使えなくなります。

詳しい手順等については次のMicrosoft Learn の記事を参照してください。

SharePoint での AI の概要 (プレビュー) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

AI in SharePoint で提供される機能

AI in SharePoint で提供される新しい機能は次の通りであり、ほとんどがAIとの対話で対応できます。つまり人間の代わりに操作を行ってくれます。

  • サイト作成
  • リスト/ライブラリ
    • リスト/ライブラリの作成・更新・削除
    • 列の追加・変更・削除
    • リストアイテムの作成・更新・削除
    • 削除したリストの復元
  • ビュー・書式設定
    • ビューのフィルター・並べ替え・グループ化のプレビューと適用
    • 列の書式設定
    • ビューの書式設定
  • 自動化・ルール
    • クイックステップの管理
    • 承認ワークフロー
    • 承認の有効・無効化
    • 承認リクエストの作成・確認・承認/却下
  • フォーム
    • リスト用のカスタムフォームの作成
  • ページ
    • ページの作成・編集・コピー
    • ニュース投稿の作成
  • 構造ドキュメントの生成
  • スキルによるAI拡張
  • その他
    • 組織図・人物情報の検索
    • バージョン履歴の確認

従来のナレッジエージェントから引き続き利用できる機能は次の通りです。

  • ページの要約
  • サイト・リスト・ライブラリ内のコンテンツに対する質問
  • ファイルの要約・比較・分析
  • 組織内のファイルやドキュメントの検索
  • 自動化・ルール
    • メール通知のルール作成・更新・削除
  • サイトの改善
    • アクティビティの少ないページの廃止
    • コンテンツギャップの検出 (検索キーワードの情報などをもとに、ユーザーが必要とするコンテンツが充足しているかを確認)
    • リンク切れの修正

ドキュメント ライブラリの作成および編集

ドキュメントライブラリを AI を使って作成および編集できるようになりました。列の追加や編集、ビューの追加、ルールの追加なども可能です。特に列に関しては日本語で列名を指定しても内部列名を適切な英語に変えてくれます。むろん、自分で決めた英語表記がよければそれを支持すればその通りに列を作成してくれます。ライブラリの場合は後述の「オートフィル列」を作成してくれるため、列の値はドキュメント内の情報を利用することができます。

操作ビデオを公開していますが、長めなのでお手すきのときにどうぞ。

リストの作成および編集

リストの作成もAIとのやり取りで行えます。またアイテムの追加や修正、削除なども対話を通じて操作できます。

オートフィル列の利用

オートフィル列はナレッジエージェントから引き続き利用できます。ちなみに、Microsoft 365 Copilot のライセンスがなくても、Microsoft 従量課金を設定しておけばオートフィルの機能は利用できます。これは SharePoint Premium (旧 Microsoft Syntex)時代からある機能であるためです。Microsoft 365 Copilot ユーザーは従量課金の設定をしなくても使えるということですね。ただ、パブリックプレビューの段階ではあるため、詳細な価格体系などは未定です。

ページやニュース投稿の記事の編集

ページやニュース投稿を対話しながらAIが記事を書きます。下書きの作成をしてもらい、その内容を適宜指示しながら校正していきます。たとえば、次のようなやり取りが可能です。

  • 書きたい内容の概要などをざっと書いて下書きを作成してもらう
  • 文章の置き換えてを指示する
  • 箇条書きできなく、文章として読みやすく改善してもらう
  • 表にまとめる/表の行列の入れ替え/表の分割
  • 文章の整合性のチェック

ただし、ページ編集時にはAIはWork IQ を使って社内にある情報は参照するものの、インターネット経由などで情報を広範囲からは取得できません。そのため必要があればあらかじめ Researcher などで下調べして資料をWordやPDFなどにまとめておき、OneDrive などに格納しておくことをお勧めします。なお対話画面では OneDriveや SharePoint に格納されているファイルを参照させて、その内容をもとに記事を書くよう指示できます。

他にも注意事項がいくつかあり、ひとの手で調整する必要がある部分もあります。

  • ローカルファイルのアップロードはできない
  • 画像の生成はできない/特定の画像を挿入することはできない

現時点で参照できるファイルの種類は次の通りです。

  • Word
  • Excel
  • PowerPoint
  • PDF

操作している様子をビデオでご紹介しています。ご参考まで。

サイト作成

自然言語を使って「どんなことがしたいのか」を対話していくことでサイトを作成できるようになりました。内容に応じてページ、リスト、ライブラリなどの構造も提案してくれます。生成プランを確認したうえで承認するとサイトが作成されます。

なお、サイト作成は最大30分かかります。進行中はブラウザーは閉じないようにします。

新しい SharePoint のUXでは、ビルドメニューにプロンプトが用意されており、サイトの目的を記載します。

AI in SharePoint を使ったサイト作成の様子は次の通りです。

構造ドキュメントの生成

定型文書となっているWord ファイルを読み込ませてライブラリのフォームを作成できます。ユーザーはフォームに必要情報を入力して送信するとその内容が流し込まれたWordファイルまたはPDFファイルがライブラリ内に作成されます。

フォーム内の各フィールドはWord内のフィールドと連携しますが、SharePointリストとも連携できます。この辺は SharePoint Syntex 時代のコンテンツアセンブリと同じようなコンセプトですね。

なお、2026年4月時点では、元となるWordファイルは英語でないとうまく認識してくれないことが多く、フォーム作成後にWordテンプレートを修正したくてもエラーになってしまいます。日本語での実用的な利用は少し先になりそうです。

どんな使い方ができるかはエラーの起きない範囲でデモを作成しているので参照してください。

SharePoint のAIに教える

SharePoint の AI 機能はパブリック プレビューに数千の組織が参加しているそうですが、このプレビュー期間を通じてMicrosoftに寄せられたフィードバックで特に多かったのは、AI が組織の「仕事の進め方」をより深く理解できるようにすることでした。

つまりサイトごとの規範や手順、プロセス、そして好まれるコンテンツの形式や表現にもっと寄り添ってほしい、ということです。

2026年4月に開催されたMicrosoft 365 Community Conference では、この要望に応える新しい取り組みとして、SharePoint の AI に「何を知っておくべきか」「どう振る舞うべきか」「何を作るべきか」を教えられるようになることをMicrosoftは発表しました。

  • What to Know(覚えさせる)
    サイト固有のルール・好み・禁止事項を AI に記憶させ、
    同じサイトの全ユーザーに共有されるコンテキストとして使える。
  • How to Act(スキル)
    チームの業務プロセスを “再利用可能なスキル” として保存し、
    誰でも同じ手順で同じ成果物を作れるようにする。
  • What to Produce(生成物)
    Word / PowerPoint / Excel / レポート / ダッシュボードなど、
    実際の成果物を SharePoint 内で直接生成できる。

What to Know(覚えさせる)

What to Know は、サイト内で守るべきルールや好みを AI に「共有ルール」として覚えさせるための仕組みです。たとえばチャットで「Remember that our team color is purple」のように伝えると、その内容がサイトレベルで保存され、同じサイトで他のメンバーが AI を使うときにも自動的に適用されます。色の優先度、禁止表現、文体ルールなどをあらかじめ記憶させておくことで、誰が依頼してもサイトの方針に沿った回答や生成結果を得やすくなります。なお、この記憶は Agent Assets ライブラリにある Markdown ファイルとして保存されます。

How to Act(スキル)

How to Act(スキル)は、チームの業務プロセスを AI に保存して、何度でも同じやり方で再現させるための仕組みです。スキルはサイトに紐づく Markdown ファイルとして保存され、同じサイトのメンバーなら誰でも呼び出せるため、チームの作業手順や成果物の作り方を「標準化」しやすくなります。

これは単なるプロンプトの保存ではなく、SharePoint サイトに紐づく “AI の業務知識” を積み上げていく考え方です。つまりスキルは「複数ステップの業務プロセス」を AI に覚えさせ、同じ品質で繰り返し実行できるようにすることで、チーム全員が同じ手順で同じレベルの成果物を作れる状態を目指します。

スキルはチャットから作成でき、コードは不要です。プロンプトで「このサイトで使う専門的な機能」を定義すると、AI がスキル用の Markdown を自動生成して Agent Assets ライブラリに保存します。

  • 四半期レポート生成(財務チーム):サイトに保存されたデータを読み取り、四半期レポートの構造に沿って Word / PowerPoint / Excel などの成果物を一定の形式で生成する。
  • 過去の提案書から新しい提案書を作る(営業チーム):過去の提案書を参照し、章立てを固定したうえで製品情報や価格表を差し込み、新人でも「チーム標準の提案書」を作れるようにする。

  • プロジェクトトラッカーの標準化(PM チーム):必要な列や列の型、選択肢の値、必須項目をスキルとして定義し、「プロジェクトトラッカー作って」で毎回同じリストを生成できるようにする。
  • 情報アーキテクチャに基づくファイル整理(コンテンツ管理):メタデータ付与、ファイル名の標準化、適切なフォルダへの移動までをスキル化し、「情報アーキテクチャを AI に実装する」という使い方につなげる。

What to Produce(生成物)

What to Produce(生成物)は、SharePoint から直接、Word / Excel / PowerPoint をはじめ、レポートや可視化、インタラクティブな要約といった「実際の成果物」を生成できるようにする考え方です。さらに、生成した成果物の“作り方”自体をスキルとして保存しておけば、毎回同じ構造・同じ品質の成果物を繰り返し再現できます。

  • 「週次レポートを作って」→ 生成 → スキル化 → 毎週同じ形式で出力
  • 「過去の提案書を元に新しい提案書を作って」→ 参照元と構造を固定して、チーム標準の提案書を効率よく生成

SharePoint の AI をスキルで拡張するための具体的な手法に関しては次の資料を参照してください。

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