2022年3月 1日 (火)

Microsoft Lists - MSA (Microsoft アカウント) Preview と Microsoft 365 版との違い

現在、Microsoft Lists の MSA (Microsoft アカウント) 利用のプレビューが行われています。先着 20万あかうんとまで無料で試用できます。

Microsoft Lists - MSA Preview | Microsoft 365

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Microsoft アカウントとは (簡単解説)?

本機能に触れる前に Microsoft アカウントについて説明しておきましょう。Microsoft Teams を使っている学校の配布資料を見ても時々、 Microsoft アカウントをあいまいに書いてあったりします。まぁ、わかりにくいんですが。

まず、Microsoft が提供するクラウド環境でのアカウントは個人で管理するもの組織で管理するものとの2種類があります。基本的には個人アカウントは無料で作成でき、組織アカウントは多くが有償です。

Microsoft アカウントといえば、個人でサインナップして管理するアカウントを指します。個人の場合はたいていは、○○@outlook.com などのメールアドレスを持っています。

Microsoft アカウントとは

組織で管理するアカウントとしてはMicrosoft 365 (Office 365 も含む) を組織や学校で使っている場合は、利用するアカウントは一般的に「組織または学校のアカウント」と呼ばれます。アカウントの管理を組織で一元的に管理します。

ついMicrosoft 社が提供するアカウントだからと大雑把に「マイクロソフト アカウント」と書きがちです。ですが、意味があって用語が分かれているので、こう書いてしまうと組織管理とそうではないものの区別がつきにくくなってしまいます。一般ユーザーにはなじみがないからと、妙に変えてしまうのはあまりいいことではないように思っています。IT に携わる人は、Microsoft 365 を使っている組織のアカウントは Microsoft 365 アカウント、個人所有のMicrosoft アカウントは MSA と略語で呼んで区別することが多いようです。Microsoft 社がそうしていますし。

Microsoft Lists with MSA

さて、本題の Microsoft Lists with MSA ですが、これは文字通り個人アカウントで利用できる Microsoft Lists であり、Microsoft 365 の契約なしで使えます。ですが、本来この機能は Microsoft 365 で提供される SharePoint の一部であり、どんな機能差があるのだろうと興味がわきます。

そこでざっと比較検証した結果を下記にまとめておきます。機能的には有償である Microsoft 365 版のMicrosoft Lists の方が基本的には多機能です。ただ、MSA版の方が最新機能がいち早く追加されている部分もあります。

まずMicrosoft 365 版と画面はほぼ同じですが、リストの作成画面に Excel から作成する代わりにCSVから作成できるようになっているのが違います。提供されるテンプレートも同じです。Microsoft 365 の場合は組織で独自に用意したリスト テンプレートを使うことができますが、MSA 版はそれがありません。

MSA 版 Microsoft 365 版
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リストを作成する際に Microsoft 365版は作成先となる SharePoint サイトまはたマイリスト(OneDrive for Business) を選択できますが、MSA盤にはそれがありません。

MSA 版 Microsoft 365 版
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リストの操作画面にも違いがあります。リスト作成後に、MSA版はグリッドビューの編集画面になります。一方の Microsoft 365 版はそうはならない。他にもコマンドバーのメニュー構成やビューの設定が異なります。

MSA 版 Microsoft 365 版
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先頭のタイトル列を固定する機能はMSA版では標準利用できるので横にスクロールしやすいのですが、Microsoft 365 版はまだ利用できません。またフィルターも MSA 版の方が最新版で、リストの上部からフィルター条件を素早く削除することもできるようになっています。

MSA 版 Microsoft 365 版
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追加できる列も異なります。MSA では集計値や参照列は使えません。

MSA 版 Microsoft 365 版
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列の設定が異なっており、グループ化表示できないのと、合計値などは出せません。

MSA 版 Microsoft 365 版
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列の書式やビューの書式はどちらも同様に利用できます。

MSA 版 Microsoft 365 版
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リストの設定ページはMSA版では提供されておらず利用できるのはごみ箱のみです。

MSA 版 Microsoft 365 版
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リストの共有リンクの設定は MSA 版は OneDrive (for Business ではない一般消費者版) とほぼ同じですね。一方のMicrosoft 365 版は SharePoint サイト側で権限管理ができます。

MSA 版 Microsoft 365 版
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そのほか、検索機能はMSA版では提供されていません。Preview で特に気になるのは日付ですね。これがU.S 表記になっているのですが、ロケール変更ができないので面倒です。

色々と違いはありますが、Preveiw 版ですし、これだけの機能が個人利用できるのはうれしいです。ちょっとした台帳管理などに便利に使えるのではないでしょうか?

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