2023年2月 9日 (木)

SharePoint: グループレベルのキャッシュ

Microsoft 365 の SharePoint にあるイベント Webパーツと強調表示されたコンテンツWebパーツはともに検索機能を使って複数の場所のコンテンツを集約できるWebパーツです。この2つのWebパーツに「グループレベルのキャッシュ」というオプションが用意されています(2023年2月以に確認ずみですが、昔はなかったオプションです)。

特定のセキュリティ グループを指定することで、情報がキャッシュされるようになり、より高速にコンテンツが表示できるようになります。

この機能に関する説明は下記のサポート文書に書かれています。

Use the Highlighted content web part - Microsoft Support

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ちなみに、イベント Webパーツはソースを「このサイトのリスト」以外を選んだ時に検索機能が使われるようになっています。そのため、例えば、「すべてのサイト」などを選ぶとしたの方に「グループレベルのキャッシュ」オプションが表示されます。

20230209_210212 強調表示されたコンテンツ Webパーツで、実際に実験してみました。まずこのWebパーツの取得件数を最大の500件にします。これによってページ表示にかかる時間ができる限り多くなるようにしておきます。キャッシュされることでどれぐらい変わってくるのか比較するためです。キャッシュ用のグループは指定しないでおきます。

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このままSharePointページの診断ツールで確認するとページの読み込みに 3546ms かかっており、改善の機会として「強調表示されたコンテンツWebパーツ」が読み込み時間かかっているので改善するように提案されています。

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では、セキュリティ グループを指定してみます。検証で利用しているデモ用のユーザーグループである all demo users グループを指定します。すると、現在サインインしているユーザーはこのグループのメンバーではないため、コンテンツが一切表示されなくなりました。つまり、本来はサイトの閲覧者と同じセキュリティグループを指定しないと、表示されないコンテンツが出てくるということになります。

あくまでもこのWebパーツ上の話で、通常の検索ウィンドウから検索すれば閲覧権限のあるコンテンツは表示されるので、セキュリティ制限に使えそうだ! と安易にとらえないでくださいね。

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では all demo usersグループのメンバーアカウントに切り替えて再びページの診断ツールを実行してみます。今度は読み取り時間が 2301ms となり、先ほどよりも 1000 ms 近く早くなったことがわかります。警告も出なくなりました。実際にコンテンツの表示も確かに早くなっていることを体感できるレベルです。

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より高速にページを表示するための工夫としてうまく活用してみてください! それと同時に、Office 365 CDN の設定もお忘れなく。

SharePoint Technical Notes : Office 365 CDN の概要と最新情報(2023年1月) (lekumo.biz)

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