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2023年9月13日 (水)

これまでSharePoint アプリを登録およびアプリのアクセス許可を更新する際に次の SharePoint ページ上から設定していました。

SharePointのアプリの登録
https://<サイトのURL>/_layouts/15/AppRegNew.aspx

Appregnew_2

SharePoint アプリのアクセス許可の更新
https://<サイトのURL>/_layouts/15/AppInv.aspx

Appinv_2

※個人的には Postman アプリから SharePoint の API 経由で操作するような場合に、Postman を SharePoint アプリとして登録して利用するのに使ったりしています。

このように SharePoint サイトの旧来からある機能を経由して、Azure 上にサービス プリンシパルを作成および更新していたわけです。

[参考] SharePoint アドインを登録する | Microsoft Learn

この設定が可能なのは、サイトコレクションの管理者(サイトの管理者)です。

変更点

この設定方法が管理ガバナンスのセキュリティ強化を目的として、2023年8月下旬から9月中旬にかけてのアップデートで変わります。今後は、SharePoint テナント管理者が明示的に承認しない限り、サイトコレクションの管理者が上記のページからアプリの登録やアプリのアクセス許可の変更ができなくなります

たとえば、AppRegNew.aspx ページで[生成]ボタンや[作成]ボタンを押下すると次のようなメッセージが表示され先に進むことができません。

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ただし、Microsoft Azure ポータルからアプリを登録し、アクセス許可を更新している場合はこの変更の影響は受けません。

既定ではサービス プリンシパルを作成および更新できるのはテナント管理者のみです。ただし、下記の PowerShellコマンドを実行することで SharePoint テナント管理者とサイトコレクションの管理者の両方が SharePoint サイト経由で従来通り、サービスプリンシパルの作成と更新ができるようになります。

この設定はテナントレベルの一括設定です。サイト単位ではありません。

Set-SPOTenant -SiteOwnerManageLegacyServicePrincipalEnabled $true

※SiteOwnerManageLegacyServicePrincipalEnabled プロパティは SharePoint Online 管理シェルが 16.0.23710.12000以降のバージョンで利用できるようになります。

このアップデートがロールアウトされる前はこの値は常に True となっており、明示的に False にしたとしても内部的には True です。ロールアウトされると既定値は False に自動的に切り替わります。

つまり、このプロパティが既定で False になっていれば、新機能がロールアウトされているということです。

2023年9月 6日 (水)

新たな機能として、ニュースページを丸ごとメールで送信できるようになります。この機能は「メール用の SharePoint ニュース」と呼ばれます。メールで丸ごと送信したとしても、ページの利用状況レポートにも閲覧状況がカウントされるようになるというのも重要なポイントです。

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ロールアウト

ロールアウトは現時点では (2023年9月5日現在)、対象リリースのテナントだけのようですが順次他も展開されるよう。

  • 対象リリース: 2023年8月~2023年9月末 (Microsoft 365 Roadmap | Microsoft 365)
  • 上記以外は 2023年の秋中にロールアウトが始まる予定

これまでもニュースやページはメールで送信できましたが、あくまでもタイトル画像と本文の最初のみであり、基本的にはリンクを送っていたにすぎません。しかし、この機能はリンクではなく丸ごとメール送信します。そのため、メールを閲覧するだけで直接ポータルにアクセスすることなく社内からのお知らせなどをすべて確認できます。ニュースは従来通り、ニュースとして SharePoint に蓄積されていくため、SharePoint 側で過去のニュースをさかのぼって検索することもできます。中途入社などの場合でも、入社前の過去のお知らせを自分で検索し確認できるのはメリットと言えるでしょう。

(とはいえ、ファイルのリンクなどがある場合は SharePoint 側のリンクをクリックする必要があり、ファイルの内容をメーラー側でプレビューするような機能はありません)。

他にも組織によっては、ライセンス管理の関係から必ずしも全社員がSharePoint を利用できる Microsoft 365 のライセンスを持っていないが、社内からのお知らせだけはポータルに掲示するだけではなく、メールで送りたいというようなニーズもあります。こうした場合、これまでは何とかプログラムコードを書くなどして対応することもあったようですが今回機能を使えば、こうしたニーズにもこ応えられる可能性があります。

メール用のニューステンプレート

ニュースを作成するときに新しくメール用のニューステンプレートが用意されます。これは日本語だと「メール用に作られました」と書かれており、英語だと「Made for email」と表記されます。テンプレートにメールのアイコンがあるので区別しやすいでしょう。タブも2つ用意され、マイクロソフトが作ったもの (From Microsoft) とサイト内で独自に作ったもの (Saved on this site) とで、テンプレートが分かれるようになります。

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このテンプレートから作成するニュースは、利用できる Webパーツが限定的です。メーラーでも閲覧できるように、対応できるWebパーツが厳選されています。利用できるWebパーツは次の通りです。

  • クイックリンク
  • スペーサー
  • テキスト
  • ファイルとメディア
  • ボタン
  • ユーザー
  • リンク
  • 画像
  • 分割バー

※リストWebパーツやカウントダウン、地図、天気などの Web パーツは利用できません。とはいえ、実際にニュースを使っている組織ではページの75%は文字と画像で構成したシンプルなものになっているとのことで、基本的な伝達はこれで上記のWebパーツで十分に賄えると思います。

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ちなみに、セクションは通常通り使えます。基本的には上部の左から右へと順にメール用に配置されることになります。どのように表示されるかは、プレビューして確認しておくようにしましょう。ただし、折り畳みオプションはメーラーでは再現されず、そのまま展開されて表示されます。そのため、このオプションは利用しない方がよさそうです。

メール送信

ページをメール送信する前に、Preview が用意されているためこれで送信後の画面を確認できます。また、通常の「ニュース投稿」ボタンが「Post and sent」(投稿と送信)に変わります。これをクリックすると、メール送信用の画面が表示されます。

詳しくはビデオでどうぞ(2023年9月3日時点)。

送信先と社外への送信

送信先は、あくまでもサイトに閲覧アクセス許可レベル以上を持たせてあるユーザーが対象です。これ以外には送信できません。アクセス権のないユーザーを選択すると送信メニューがグレーアウトしてしまいます。

ただ、サイトが社外共有できるように構成されていて、ゲストユーザーを追加している場合はその人にもメールを送信できます。試しに自分の Gmail アカウントをゲストとして追加してメール送信してみましたが、問題なく送信できました。

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新しい共有メニュー

現在、ページでは新しい共有メニューもロールアウト中です。従来の[送信]メニューはなくなり、[共有]メニューに変わります。ここからメール送信もできるようになります。

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なぜ、メール送信なのか?

SharePoint, Microsoft Teams や Viva Engage などを利用するようになり、メールの量を削減しようという話は多くの組織でも話題に上がっていたと思います。そのため、今回の新機能は、メールの利用を改めて推し進めていこうという意図ではないとMicrosoft は話しています。あくまでも、"「場」を選ばず、いつでもどんな環境にあっても役立つ情報をいかに届けられるか" という観点を重視した結果であり、メールしか見られない状況があったときにも素早く情報を得られるようにするために選択肢を広げるというのが、この新機能の意図だということです。

今後の機能の追加予定など

これから数か月の間にさらなる機能が追加される予定だそうです。これから追加される予定の機能やよくある質問などが Microsoft 365 & Power Platform Community の録画で見ることができるので、下記の YouTube も是非確認してみてください。

🎦 Introducing new SharePoint news for email feature

[参考]

Introducing new SharePoint news for email feature - Microsoft Community Hub

2023年8月25日 (金)

SharePoint サイトのリストは 2023年8月からのアップデートで Microsoft Lists アプリで開くように挙動がかわっています。ロールアウトの詳細は以前の記事を確認してください。

🔗 SharePoint Technical Notes : Microsoft リストの新しいUX (lekumo.biz)

さて、この挙動ですが上記のリンク先にも示したように、サイト単位で従来通りの挙動のまま据え置くこともできます。そのためには PowerShellによる設定が必要でした。ですが、この設定を手軽に行うオプションも順次ロールアウトされており、PowerShellを使わなくてもサイトの管理者およびサイトの所有者はサイトの設定ページにある「ナビゲーションの要素」からこの設定を制御できるようになっています。

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この設定をオンにすることで、SharePoint サイト内のリストにアクセスするときにMicrosoft Listsで開かず、従来通り SharePoint 内でアクセスできるようになります。

2023年8月 5日 (土)

ビデオ編集ソフトである Clipchamp (クリップチャンプ)は、遡ると2021年9月にマイクロソフト社に買さ収され、そのときに 将来的にMicrosoft 365 のラインナップに加わるというアナウンスは当時からされてきていました。

🔗 クリエイターの力となる Clipchamp が Microsoft の一員に

現時点(執筆時は2023年8月5日)では、個人利用アカウントである Microsoft アカウント(MSA: Microsoft Account)で無償の利用ができます。これがやっと Microsoft 365 の商用ライセンスのラインナップに追加されることになったのです! 正式に組織として利用できる。

このことはMicrosoft 365 管理センターのメッセージセンターに情報が届いていました。

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メッセージセンターの内容を踏まえて、以下に簡単にまとめておきます。

📌ロールアウト

2023年8月下旬から10月中旬まで 

📢対象

  • Microsoft 365 E3 / E5
  • Microsoft 365 Business Standard / Business Premium

🎞️動作環境

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  • Edge または Chrome ブラウザー上で動作。
  • OneDrive for Business と SharePoint ドキュメント ライブラリ上の新規および編集メニューから利用できる。
  • Office.com のアプリランチャーから Clipchamp アプリにアクセスできる
  • 組織としての追加設定は不要であり既定で有効化される

※Windows 10 / 11 では Windows 用のClipchampアプリが含まれているが、現時点では個人利用の Microsoft アカウントでのみ利用できる。そのため、必要に応じてWindowsアプリはグループポリシーエディターを使って無効化できる。

現在、Microsoft Stream には簡易ビデオ編集機能が用意されていますが、このフル機能が Clipchampでは使えるようになります。たとえば、OneDrive や SharePoint 上に保存されるビデオの編集や結合などができるほかに、テキストのオーバーレイ、スクリーンまたはWebカムなどでの録画なども可能。

Clipchamp の製品概要: 
Introducing Microsoft Clipchamp: Unlock the power of video at work | Microsoft 365 Blog

FAQ:
職場アカウントで Microsoft Clipchamp にアクセスする方法 - Microsoft サポート

FAQ を見ると現在すでに個人用で利用できる Clipchampですが、商用テナント向けに関しては最初のリリース時点では同等の機能がすべて商用製品に組み込まれるわけではないようです。

含まれない機能は次の通り。

  • ブランドキット
  • ストックビデオ
  • オーディオと画像
  • テキストの読み上げ
  • 自動キャプションまたは字幕
  • 高度なタイトルと注釈

Stream との関わりは?

組織アカウントで利用する Clipchampではエクスポートしたビデオは自動的に Stream (SharePoint) 上にアップロードされることになります。ですから、SharePoint または OneDrive for Business 上での再生については従来のビデオ再生と同じ挙動になるということですね。従来の機能に加えて既存のビデオの編集機能も加わるということ。

まとめ

ビデオ作成をよく行う方にとっては、手軽に使えるようになれば Clipchamp の利用は朗報ですね。あとは、SharePoint 側で新しい Stream 用のWebパーツが出てくれば、ビデオ専用ポータルが本当に手軽に作れそうです。

2023年7月30日 (日)

Microsoft 365 の SharePoint ページ上でこれまで利用できてきたTwitter Webパーツが残念ながら廃止だそうです。 

3rdパーティアクセスに対する Twitter の利用規約が変更されたためです。

🔗SharePoint での Twitter Web パーツの表示が空です - Microsoft サポート

タイムラインやツイートを表示するために、これまでは匿名アクセスもできていましたが、利用規約の変更により各ユーザーが Twitterへサインインする必要があり(ユーザー認証が必須)ます。また、ユーザーが毎日アクセスできるコンテンツの量が制限されるなどの影響もあります。

これによりWebパーツのツールボックスからも削除するとのこと。 Microsoft が作成したサイトテンプレートからも削除されます。 

この変更のロールアウトは2023年9月中旬から。

X (Twitter) は社会インフラともなっており、公共性も高く影響は大きいです。そこを考えると、こうした変更は残念ですね。

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SharePoint の管理者となっている方々は Twitter Webパーツをページ上から削除することを考える必要がありそうです。この作業は基本的に手動ですね。ユーザーに案内して削除してもらうことになるでしょう。

また、このロールアウトを待たなくても、SharePoint の管理者(テナントレベル) は、Tiwtter Webパーツをツールボックスから非表示にすることも可能です。Set-SPOTenant -DisableWebPart <Guid> コマンドを利用します。

ちなみに、Twitter Webパーツの GUID は  f6fdf4f8-4a24-437b-a127-32e66a5dd9b4 です。

Set-SPOTenant -DisableWebPart "f6fdf4f8-4a24-437b-a127-32e66a5dd9b4"

🔗Set-SPOTenant (Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell) | Microsoft Learn