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2022年12月19日 (月)

この記事は、Microsoft 365 Advent Calendar 2022 - Adventar に参加しています。2022/12/17分です。

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SharePoint リストと Microsoft Lists は基本的には同じものですが、Microsoft Lists アプリはリストにアクセスするための専用アプリとなっており、SharePoint サイトを意識せずに使えることがメリットです。

[参考] SharePoint Technical Notes : SharePoint ユーザー必見! Microsoft Lists 登場 (lekumo.biz)

SharePoint リストと Microsoft Lists Webアプリ表示とで、URLを比べてみると末尾に「?env=WebViewList」が追加されているかどうかが異なっていることがわかります。

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このパラメータが指定されていると Microsoft Lists Webアプリで表示されます。逆に、このパラメータを削除すると SharePoint サイトの側での表示に切り替わります。

ちなみに、ライブラリもリストがもとになっているため、パラメータを指定すれば Microsoft Lists Webアプリで開けます。

2022年12月17日 (土)

Microsoft 365 内でのビデオファイルの管理には Microsoft Stream が使われます。このサービスでは従来はビデオファイルの格納場所に Azure ベースの独自ストレージを持っていましたが、現在 SharePoint ベースに切り替わってきておりまさに過渡期です。つまり、ビデオファイルは SharePoint サイトまたは OneDrive for Business に格納するようになっているということです。現在、新しい Stream 専用ポータルが用意され、ビデオ再生はファイルが SharePoint にあっても、OneDrive にあっても Stream の機能を使って再生することになります。Stream が提供する再生機能には次のようなものがあります。

  • トランスクリプトの生成と編集
  • ビデオのサムネイルの変更
  • ビデオのタイトルや説明の変更
  • チャプター作成
  • ノイズ低減
  • 再生速度の変更など

新しい従来の Microsoft Stream と区別するために Microsoft Stream (on SharePoint) と呼ばれます。

過去に公開している関連記事があります。経緯については下記も参考にしてください。

2022年10月より Microsoft Stream (on SharePoint) が GA

2022年10月に Microsoft Stream (on SharePoint) が 一般提供 (GA) の状態へと移行しました。Microsoft Stream のポータルも旧URLは https://web.microsoftstream.com/ でしたが、これが https://www.microsoft365.com/launch/stream?auth=2 となり、画面も機能も新しくなっています。

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※ちなみに、2022年12月現在、www.office.com となっているURLは来年の春ころまでに www.microsoft365.com に変更されリダイレクトされるようになります。そのため、すでにwww.microsoft365.com も利用できます。

移行スケジュール

これに伴い移行ツールもパブリック プレビューとして公開されています。移行スケジュールは下記に公開されています。

Overview of migrating from Microsoft Stream (Classic) to Stream (on SharePoint) - Microsoft Stream | Microsoft Learn

これまでの経緯は下記の通りです。20221217_105907_2

つまり、そろそろ 従来のMicrosoft Stream のリタイア(廃止)も近くなってきているということです。

移行ツールがパブリック プレビューを終了して、一般提供開始をし始めるタイミングで旧 Stream の廃止日が告知されることになっています。廃止日までに1年間の猶予があり、この間に移行を完了する必要があります。

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移行は自動的には行われず、コンテンツを期間内に移行しない場合は、Stream (クラシック)が廃止されるとともに削除されます。ただし、移行するのに必ずしもすべてのコンテンツを移行する必要はありません。もう利用されていないコンテンツなどは削除してもいいわけです。そのため、Stream (クラシック)のインベントリおよび使用状況のレポートを使って調査をしどのコンテンツを移行し削除するのかを検討する必要があります。

延長オプションの提供

移行までにいくつかの延長オプションが用意されています。具体的には次の通りです。

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何もしなければ、廃止日が告知されてから3か月後にはユーザーは Stream (クラシック)に新しいビデオをアップロードできなくなります。ただし、3か月延長できるため最大で6か月間は猶予があるわけです。

また Stream (クラシック)へのアクセス自体、何もしなければ1年後よりも早く8か月後にはアクセスできなくなります。延長すれば最大で4か月延長できるため、実質1年ほどあるということになります。

廃止日が告知されると次のような設定画面が用意されるとのこと。

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廃止日に起きること

廃止日には、延長したユーザーも含めてすべてのユーザーが Stream (クラシック) にアクセスできなくなり、サービスのシャットダウンが始まります。移行されなかったコンテンツはすべて削除されることになります。

移行ツール

現在、移行ツールはパブリックプレビューです。そのため最終的に追加される機能なども複数ありますが、そこまで大きくは変更されません。組織のSharePoint の管理者または Microsoft 365 全体管理者は、ツールの使い勝手を確認して、今のうちに移行の段取りを立てておくようにしましょう。

移行までの段取りも公開されています(機械翻訳がおかしなところもあるので必要に応じて英語の方もどうぞ)。

Microsoft が実施した過去の Stream (クラシック)のビデオの利用状況の統計結果は興味深く、日数が経てばたつほど視聴はされなくなるということです。動画も鮮度が大事だということですね。

  • アップロードから 17 日後にビデオの 50% が視聴されない
  • アップロードから 81 日後にビデオの 75% が視聴されない
  • アップロードから 104 日後にビデオの 80% が視聴されない

SharePoint サイトへの移行によりストレージもそれだけ消費することになるため、レポートツールを使い棚卸しして公開後に随分日数が経過していて最終閲覧日が古いようなら不要なものだと判断し、そのまま移行せずに放置して削除されるのを待つのも必要だといえます。

移行ツールの使い方は下記に公開されています。

移行ツール (パブリックプレビュー版) の簡単なビデオも公開しています。

移行は次のコンテナ単位で行うことなります。

コンテナの種類 説明
Microsoft 365 グループ Microsoft 365 グループのうちプライバシー設定がプライベートになっているもの。
全社チャネル 全社に公開されているチャネルコンテンツ
ストリーム グループ Microsoft 365 グループのうちプライバシー設定がパブリックになっているもの
ユーザーコンテンツ ユーザーが開催したTeams会議やライブイベントの録画。

Microsoft 365グループの場合は、そのままグループに紐づくチームサイトに移行すればよいでしょう。全社チャネルやストリーム グループに関しても基本的にはもともと社内に公開されているため、移行先に関しては場所さえ決めてしまえば、アクセス権限について心配することはあまりないと思います。ユーザーコンテンツに関しては基本的に各自の OneDrive for Business になるはずですが、すでに退職しているユーザーなどいればその移動先は考える必要がありそうです。

ファイル単位で移動場所を変える必要がある場合は、いったん OneDrive for Business または SharePoint に移行したのちに、さらに別の場所へと手動で移動させる必要があることもあるでしょう。その際には、リダイレクト機能は利用できなくなるためあらかじめ移動場所を確認したうえで Webパーツにリンクしなおす必要があります。

また OneDrive for Business は移行先としては1ユーザーあたり最低1TBが確保されているため、容量の心配が少なくて済みますが、OneDrive for Business のアカウントを持つ当該ユーザーが退職しライセンスをはく奪すると OneDrive のサイトが削除されてしまいますので、その点も考慮しておきましょう。

追記: 管理者以外の方が自分で移行する

管理者以外は移行ツールが利用できないのですが、一般ユーザーの方でも自分がアップロードしたビデオであれば Stream (クラシック) からダウンロードはできるはずです。自分でダウンロードしてしかるべき場所に手動でアップロードすることで移動させてくださいね。

2022年11月12日 (土)

2022年10月18日~20日まで開催されたコミュニティイベントである「Japan Power Platform Conference 2022」で登壇したときの動画が公開されましたので資料とともに共有します。

SharePoint リスト (=Microsoft Lists) の管理を行うためのアプリを40分強で Power Apps + Power Automate を使って作成しています。機能は次の通り。

  • 任意のサイトのリスト一覧の取得
  • リスト名の変更
  • リストの説明の変更
  • リストのURLの変更
  • リストの列一覧 (内部列名の確認)

同じアプリを作ってみたい方は、まずはセッションの内容をビデオで確認していただき、そのうえですでに公開している PowerPoint の資料で補足してみてください。

ビデオは下記の通りです。

補足資料は下記に公開しています。

一通り同じものが作れるようになったら、リストだけでなくライブラリも含めて列一覧を取得したり、特定の列をフィルターできるようにしたりするなど、いろいろとアレンジしてみてくださいね。

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イベントでのその他のビデオや資料は下記の通りです。

録画一覧

Japan Power Platform Conference 2022 - 資料一覧 - connpass

2022年10月27日 (木)

SharePoint-File-Tips

SharePoint 内 (Teams のファイルタブも同様) でファイルを共有していると、他のユーザーが編集アクセス許可レベルを持っていると既定では編集モードでファイルが開きます。

そのため単に閲覧するだけなら、プレビューでは開くのがお勧めという話を以前書きました。

SharePoint: ファイルを更新することなく閲覧だけするには? (SharePoint Technical Notes) (weblogs.jp)

とはいえ、開く側が気を付けないといけないわけで徹底しにくいかもしれません。

そこでもう一つTipsです。Word, Excel, PowerPoint では「常に読み取り専用で開く」オプションが用意されています。これを使ってファイルを保護して保存しておけば、明示的に編集モードにしない限りは開く側は必ず閲覧モードで開きます。ファイルを開いたときに次のようにメッセージが表示されます。※スクリーンショットはいずれも Webブラウザー版

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Excel の例:
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Excel の例: 既定で「閲覧モード」になっている。編集モードへの切り替えも可能

Windows デスクトップ版

Windows デスクトップ版の場合は次の通り。ずいぶん前から標準搭載されている機能ですが、知らない方も多いようです。Webブラウザー版でも利用できます(PowerPoint は除く)。

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Windows 版の Excel 
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Windows 版の Word



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Windows 版 PowerPoint


Webブラウザー版

ブラウザー版では Wordと Excelのみが指定できるようになっています(試すと PowerPointは Web版で開いただけで更新はされないような感じなんですよね、だからなのかも)。

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Web版の Excel
Word for the web
Web版のWord

 

2022年10月25日 (火)

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これまで SharePoint Syntex として提供されてきた機能がパワーアップし、Microsoft Syntex という名称に変わりました。単なる名称の変更だけでなく、"SharePoint" という冠が外れたことで従来の機能だけでなく、適用範囲も広がります。

そもそも SharePoint Syntex (シンテックス) って何? という方もいると思うので過去勉強会などで公開してきた情報をまずは並べておきます。予習にご利用ください。

Microsoft Ignite 2022 でも複数のセッションが提供されていたのでリンクを共有します。

なお、ビデオは基本的には英語ですが「Microsoft Could 向けコンテンツ AI のご紹介」のビデオに関しては AUDIO TRACKS を切り替えれば Japanese を指定できるようになっており、日本語の同時通訳(録画)で視聴できます。そのほかは字幕で日本語を指定できます。

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最初に見てもらうといいのが Jeff Teper 氏がメインスピーカーとなっている「Microsoft Syntex: Microsoft Cloud 向けコンテンツ AI のご紹介」です。これとともに Microsoft 365 のブログとして公開されている「Welcome to Microsoft Syntex—Content AI integrated in the flow of work」も目を通しておくとベスト。主にこの2つの記事を交えて、新機能のポイントを確認していきましょう。

なお、これから登場する機能も多く、価格帯など未発表のものもありますの。その点は今後の発表を待ちましょう。さらに、現在のところフォーム処理モデル以外は基本的に英語のみがサポートされています。とはいえ、他の言語の対応も鋭意進めているとのこと。この資料では近い将来、コンテンツ管理がどうなっていくのかを中心に確認していくといいと思います。特にサイト管理に関わるところは要チェックです。

では内容に移りましょう。Jeff Teper氏の話から。

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Microsoft 365 には毎日、なんと 16憶ドキュメントが追加されているそうです。5年前の10倍ほど。業界では 2025年までに非構造化コンテンツが1,300億テラバイトを超えるコンテンツが蓄積されると予想。コンテンツの蓄積と管理に年間で460億ドル(2022年10月21日時点の為替レートだと日本円で約7兆円)以上かかる試算です。

コンテンツ AI

こうした中、コンテンツ管理を AI を使って行おうというのが Syntex の中核ですが、この AI をコンテンツ AI と呼びます。SharePoint Syntex でもこの AIが使われてきたのですが、Microsoft Syntex になることで今後はこの機能の適用範囲が SharePoint だけにとどまらなくなります。

新機能の概要は次の通りです。

  • Microsoft Syntex を利用するとドキュメントのタグ付け、要約、翻訳を行えるだけでなく、蓄積されたコンテンツを再利用して新たなコンテンツを生成することも可能
  • AIを活用した検索、自動署名、ビジネスプロセスの統合が可能です。コンテンツが見つけやすくなり、再利用しやすくなる
  • AI主導のセキュリティ コンプライアンス、バックアップと復元、高度なセキュリティ管理ができ、ライフサイクル全体を通じたコンテンツの分析および保護ができる

コンテンツ クラウド プラットフォーム

SharePoint はサイト、リスト、ファイル、ビデオをサポートするコンテンツ クラウド プラットフォームと位置付けられています。Microsoft Syntex は、SharePoint から始まっています。今後、さらに Stream や Viva, Loop, Teams などコンテンツ コラボレーションをさらに強化していくとのこと。

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ここまでを総合すると Microsoft Syntex は大まかには次のように言えそうです。

Microsoft Syntex = SharePoint + コンテンツ AI+ コンテンツ管理 / バックアップ / 復元

先ほども述べた通り、Microsoft Syntex は SharePoint から端を発したものの、この適用範囲が SharePoint にとどまらず Microsoft Azure, Microsoft Purview, Power Platform にも広がります。

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これからは業務フローにコンテンツ AI が統合されていきます。具体的には次のような機能群を提供されます。

  • 強化
    • ドキュメントの理解と組み立て
  • 接続
    • 発見と再利用
  • 管理
    • 分析と保護
  • ビルド
    • コンテンツ AI の機能をフルに利用してアプリを作成する

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強化 (Enhance)

Syntex を利用することでコーディングすることなく AI の力を借りてドキュメントを理解し、タグ付けし、保持ラベルや秘密度ラベルを自動適用できます。ここまでは SharePoint Syntex で提供されてきた機能です。こうした機能に加えて新たに翻訳と要約の機能が加わります。

複数ファイルの一括翻訳と要約

ドキュメントがライブラリに格納されていれば、言語を問わず複数ファイルを一括翻訳できるようになります。デモでは PDF ファイルを一括翻訳しており、新たに生成された翻訳後のファイルは同一ライブラリ内のフォルダーに格納されていました。画面の右側にはファイルの要約が AI によって生成されています。要約は自分でルールを作成して自動生成するように指定することもできるとのこと。これによって長い内容のファイルを隅々まで読み込まなくても重要なポイントを素早く確認できます。

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複数ファイルの一括翻訳

 

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画面の右側に要約が表示されている

メタデータの抽出

 

SharePoint Syntex の機能は引き続き利用できるため、契約書や請求書などを自動的に解析してメタデータを抽出して、列として自動設定してくれます。この辺りは、冒頭に示した勉強会の過去の資料などを確認してみてください。

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コンテンツ アセンブリ

たとえば、提案書の要約を見てよい提案書を見つけたら、契約書を作成してサプライヤーに送信する必要があります。こうしたときに使えるのがコンテンツ アセンブリです。事前に用意されているテンプレートをもとに既存のリストデータなどを取り込んで自動入力し、新たな契約書などを素早く生成できます。この辺りも設定のみであり、ノンコーディングなのが魅力ですね。

コンテンツ アセンブリについてもすでに提供されている機能であり、過去にブログでも紹介しています。

画像、音声、ビデオ処理

画像を処理しタグ付けします。これには 10,000ほどのあらかじめ用意されている自動認識用のオブジェクトを使用します。また、SharePoint や Exchange 内の画像から OCR (光学式文字認識)を使ってテキストを自動的に抽出し、検索やコンプライスを最適化します。

デジタルメディアは現代のコンテンツでは欠かせない重要な要素の一つです。 Syntex の機能の一部として、音声およびビデオのトランスクリプションを作成できるようになっています。特に会議などの音声からテキストを抽出することは検索とコンプライアンスには不可欠です。 

接続 (Connect)

コンテンツ ルール処理 (Content rules processor)

コンテンツルール処理では単純なルール設定もできます。

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これにより、次のアクションをトリガーできます。

  • アラートやワークフローの実行
  • 適切なライブラリへやフォルダーへの移動

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[考察] 処理後に別のライブラリやフォルダーへ移動するという機能については、以前、オンプレミスの SharePoint サーバーが持っていたコンテンツ オーガナイザー機能を思い出します。この機能は特定のライブラリにファイルをアップロードするとメタデータの設定を要求され、その設定が終わるとメタデータに応じて事前に設定している複数の場所にファイルを振り分けて移動させてくれるというものでした。図書館の「返却棚」のようなもので、そこに返せば図書館司書の方が本にタグ付けされた情報に基づいて適切な棚に戻してくれるのと似ています。

ただし、以前と異なるのはドキュメントをAIが理解、解析してメタデータを自動抽出し、その後の処理へといざなってくれるところでしょう。手動で判断していたところが、自動化できるわけです。

[考察] このルール機能はドキュメント ライブラリにビルトインで用意されているルール機能と画面が似ているため、この機能の拡張版だろうとみています。ビルトインの機能は通知機能の置き換えでありメールの送信しかできませんが、これ以外にトリガーとなる条件やアクションが増えているようで、ユーザーは簡単に設定できそうです。

PDFファイルの分割や結合

PDFファイルのプレビュー画面から、複数の PDF ファイルを結合できるようになります。ファイルの分割もできるそうです。

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電子署名

ファイルのプレビュー表示から直接、電子署名を依頼できます。これは画期的だなぁと個人的には思っています。利用できるのは Syntex標準の eSigniture だけでなく、 Adobe Acrobat Sign や DocuSign なども利用できます。

 

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1 電子署名メニューから設定を開始する
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2 ビルトインの Syntex電子署名以外に Adobe社や DocuSign 社のものも選べる
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3 署名を求める相手のメールアドレスを順に指定する
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4 署名してもらう場所を決定する(色がついているところ)

設定が終わったら画面左上の Send メニューから送信すれば相手にメールが自動送付されます。メールにはファイルが添付(? リンクだと思いますが) されています。
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あとはファイルを開いて 署名を追加するだけです。画面の右上には[Decline to sign] もあり署名を拒否することもできます。

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このようにして署名された書類が蓄積されていきます。

さて、同僚は何か質問したいことがあるかもしれません。まずは目的のファイルを見つけ出したいのですが、この時に重要なのはメタデータが自動抽出されているということです。メタデータは各列に格納されています。Syntex は検索機能(Microsoft Search)とも協調しており、高度な検索ボックスが利用できるようになっています。これによりユーザーは複数の項目(メタデータ)に検索したいキーワードを指定することで柔軟に素早く検索できるのです。

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各項目に検索キーワードを指定して検索する



ファイルを見つけたら、そのまま直接、注釈やインクを追加できるようになっています。オリジナルファイルは更新することなく、こうした情報を追加できるようになっています。

 

検索

Syntex の一部として提供されるMicrosoft Searchはさらに強力になっています。最先端のディープラーニングモデルを利用して、セマンティック理解、自然言語処理、質問と回答を駆使して、適切な検索結果を提供します。

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自然言語検索している例
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検索結果の右側には関連情報へのリンクも表示されている

アクセラレータとテンプレート

すでに SharePoint Syntex では契約書管理 (Contract management) 用のソリューションが用意されています。今年の末までに新たなソリューションとして買掛金(Accounts payable)用のソリューションが登場する予定だそうです。

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管理

Microsoft 365 はレジリエンス(resilience: 回復力)と信頼性の高いストレージ ファブリックですが、ますます多くの情報を取り込むにはより柔軟な管理方法が必要になってきます。

Syntex はコンテンツ管理、バックアップ、復元をするためのツールとして提供していきます。ストレージコストを管理して長期的なアーカイブもニーズに対応できるようにします。

アクセスの制限

サイトごとにアクセスを制限できるようになります。

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具体的には、この設定によりメンバーシップタブに一覧表示されるサイトの所有者とメンバーのみがサイトのコンテンツにアクセスできるように制限します。その他のユーザーは一切サイトのコンテンツにアクセスできません。

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[補足] ビデオの説明だけでは詳細が不明でしたが、サイトの共有設定を自由にはさせない設定なのかなと。共有リンクも使えない? 機密情報にアクセスできるユーザーを社内の特定のチームおよび社外の認められたユーザーに限定するのに使えるとのこと。

データ アクセス ガバナンス

これはすでに提供されている機能ですが、共有リンクファイルに適用された秘密度ラベルのレポートを生成するものです(※E5のライセンスが必要)。

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共有リンクでは、3種類の共有リンクの利用状況を確認できるようになってり、過剰に共有されていないかを確認できるようになっています。

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過剰に共有リンクが生成されているサイトを見つけたら、そのサイトの所有者に対してレビューの依頼をすることができるようになっています。この機能は今はまだ提供されていません。

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サイトアクセスのレビューを要求するとサイトの所有者に次のようなメールが送信されます。メールのリンクをクリックするとサイトのアクセスレビューページが表示されます。ここから共有リンクを一覧できるようになっており、必要のない共有リンクを削除できます。

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非アクティブなサイトのストレージの解放

SharePoint 管理センターサイトのホームにある「SharePoint ストレージ使用率」カードに「ストレージを解放する(Free up storage)」メニューが追加されます。

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クリックすると非アクティブなサイトの総数と使用してい容量が表示されます。

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画面の環境ではストレージが不足しているため、対処方法が提示されています。具体的にはポリシーを作成して次のことを行うように促しています。

  • 非アクティブなサイトの検出
  • サイト所有者にサイトのアーカイブまたは削除を促す
  • サイトの所有者に4回通知したのち、サイト所有者がサイトの利用状況を確認していない場合は、サイトが自動的に削除される

ライフサイクル管理ポリシー

ライフサイクル管理ポリシーを利用することで非アクティブなサイトを識別できます。

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とはいえ、アクティブでなくても、機密性の高い情報を保持しているサイトは削除されるのは困ります。そこで、"極秘"などの秘密度ラベルがサイトに適用されている場合は、そのサイトを低コストの不変ストレージ階層に移動して容量を解放してコストを削減できます。(※価格は未発表)

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[補足] SharePoint が長年標準では持っていなかったアーカイブ機能がいよいよ登場!!

可用性

BCPを確保するには、ランサムウェアからの回復、削除したユーザーの復元などを容易に行えることが重要です。Syntex では新しい強化された共有バックアップと復元により、将来のPoint in recovery (PITR)  のために Outlook, OneDrive, SharePoint を全体をバックアップできます。

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SharePoint 管理センターのホームに「ランサムウェアの検知」メッセージが表示されている

カードをクリックすると、詳細情報が確認できます。セキュリティインパクトや解決方法なども提示されます。

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影響を受けているサイトが一覧できます。
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サイトごとに復元したい時点や復元方法を選択できます。Recommendation を見るとどの時点を戻せばデータ損失が最小になるかが示されています。復元方法は新しくサイトを作成してそこにバックアップを戻すのか、同一サイトに復元するのかのいずれかを選べます。

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Power Automate 

Syntex のコネクターが用意され、Power Automate からも利用できます。スクリーンにあるのは「Generate document using Microsoft Syntex」というアクションです。文字通りドキュメントを生成できるということでしょうがこれだけだと詳細がわかりません。

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既存環境で確認したところ、Power Automate のプレビュー環境ではすでにアクションが利用できるようになっていました。名称は今のところ SharePoint Syntex ですけど。またコネクターも SharePoint のコネクターとして提供されています。これが将来的には Microsoft Syntex コネクターに変わるのでしょう。SharePoint コネクタの説明を見るとコンテンツ アセンブリ機能を使ってドキュメントを自動生成する機能ですね。

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ビルド

Syntex data lake

数十億個にも上る Microsoft 365 内のすべてのコンテンツを調べるクエリを作成するのにSyntex data lake を使用して巨大なデータセットをAzure Data ツールに取り込み、データ分析やモデリングが可能になります。

費用

Syntex のほとんどの機能は一度アクティブ化すれば従量課金で利用できます。 Azure サブスクリプションの pay-as-you-go を利用できるというわけです。

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[備考] Azure サブスクリプションの従量課金の仕組み( pay-as-you-go)は Power Platform にも導入されましたね。

ロードマップ

全体的なロードマップは次の通りです。

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全体的な感想

これから様々な機能が投入されてくるとのことで個人的にはとても楽しみです。何より日本語対応を待ちたいところ。今のところフォーム処理モデルを利用したコンテンツ処理は日本語をサポートしていますが、それ以外は来年以降となるようです。

一通りの機能を見ると、SharePoint Server 2007 から培ってきたナレッジの集大成になってきそうだなぁと感じています。電子署名も Office 2007 の頃は判子の印影を使った署名機能があったんですが、事前設定などが面倒でしたしそもそも PDF は対応していませんでした。タグ付けを自動化することで、その次のアクションもいろいろとつないでいける。この辺りは、本当に画期的でメタデータを起点にアクションを起こすことは出来はいましたが、手動だったというのも大きく。検索も本当に進化していっています。単一のライブラリに類似ファイルを集約し、自動的にタグ付けしていけばフォルダーにしまい込む必要がないですし、検索ボックスから手軽に探せる。こういったシナリオは非常に魅力的。あとは、保持期限や秘密度ラベルも自動的に適用できるわけですから、トータルで考えると本当に理想的。無論、実装していくときには色々と課題はあるでしょうが。

Syntex はノーコードというのも魅力です。ここに、必要に応じて部分的に Power Platform を組み合わせていけるわけです。しかし、管理機能もここまで強化されてきていて、Syntex に含めてしまうとは!!

弊社でもこうしたソリューションに対応できるべく研修コースをご用意しています。SharePoint 管理者向けのコースはもちろん、Power Apps と Power Automate、Microsoft Search, Microsoft Purview コンプライアンス入門など関連するコースを複数用意していますので、将来のコンテンツ管理の基盤づくりのために情報をしっかりと整理しておくのも大切です。是非、併せてご利用ください。

Microsoft Syntex へのエントリー

最新情報などを得るために Microsoft Syntex アダプションに登録しておくとよさそうです。

Microsoft Syntex Adoption – Microsoft Adoption

関連情報