カテゴリ「SharePoint 2016」の42件の投稿 Feed

2015年9月 1日 (火)

本記事は、SharePoint Server 2016 Preview を元にしています。製品版(RTM)が出るまでは、いくつか変更される可能性があるため注意してください。

-------------------------

ファーム構成ウィザードで追加できるサービス アプリケーションは次の通りです。ただし、一部のサービス アプリケーションは既定では選択されないため、下記がすべて自動的に追加されるわけではありません。

  • Access Services 2010
  • Access Services
  • App Management Service
  • Business Data Connectivity Service
  • Lotus Notes Connector (既定値:オフ)
  • Machine Translation Service
  • Managed Metadata Service
  • PerformancePoint Service Application
  • PowerPoint Conversion Service Application
  • Project Server Service Application
  • Search Service Application
  • Secure Store Service
  • State Service
  • Usage and Health data collection
  • User Profile Service Application
  • Visio Graphics Service
  • Word Automation Services
  • Work Management Service Application
  • Workflow Service Application

従来なかったものとしては、Project Server Service Application が新たに追加されています。逆に、Excel Services はなくなっています。

また、以前のバージョンにはなかったサービスの指定画面が追加されています。従来のサーバーでは、これらは、ファーム構成ウィザードとは別にサービスのみを開始または停止していたものです。

2015-08-29 18-22-15

そもそも、SharePoint Server 2016 Preview では、Microsoft Ignite 2015 でアナウンスされていた MinRole という機能が初めて使えるようになっています。MinRole の導入により、ロールベースのサーバー構築が容易になったのですが、そのため、サービスを個別に選択して開始する必要性はなくなりました。しかし、一部に関してはオプションとして起動できるようになっているようで、その一部が上記のサービス群であるようです。

2015年8月30日 (日)

前回は、SharePoint Server 2016 Preview 版のインストールが終わり、製品構成ウィザードを実行し、サーバー全体管理サイトが起動するところまで確認しました。今回はその続きです。

ファーム構成ウィザード

SharePointサイトを作成する前に、サービス アプリケーションを準備し、Webアプリケーションを作成する必要があります。これらの作業はファーム構成ウィザードを使うことで簡単に構成できます。ただし、ウィザードで自動設定すると手軽な反面、データベース名に任意のGUIDが設定されるなど、細かい設定していなどできないため、本格的な構築を行う際は Windows PowerShell などを使って個別に構成することもあります。しかし、今回はあくまでも検証環境の構築であり、一通りの機能を確認することに重点を置くため、ウィザードで自動構成します。

  1. サーバー全体管理サイトにアクセスする。
  2. サイドリンクバーから[構成ウィザード]をクリックし、[ファーム構成ウィザードの起動]をクリックする。
    2015-08-27 18-18-13

  3. [参加する]を選択し、[OK]をクリックする。
    2015-08-27 18-18-22
  4. [ウィザードを開始]をクリックする。
    2015-08-27 18-18-37
  5. サービスアカウントを指定する。他は既定値のまま、[次へ]をクリックする。※実は以前のバージョンになかったサービスなども存在しているのですが、調べようにも関連資料はまだごく一部しか公開されていないないため確認できません。したがって、まずは手順書通り、既定値で進めます。
    2015-08-29 18-21-28
  6. 処理が開始される。この処理は結構時間がかかるため、しばらく放置しておいてよい。
    2015-08-29 18-23-26

  7. 処理が終わるとサイト コレクションの作成画面が表示されるため、任意のサイト テンプレートを指定してサイト コレクションを作成しておく。なお、日本語表記の方が好ましいという方は、既定の言語を "日本語" に変えておくことを忘れずに。
    2015-08-29 22-34-24
  8. サイト コレクションの作成が完了すると一連のウィザード処理が完了し、次の画面が表示される。確認したら、[完了]ボタンをクリックする。
    2015-08-29 22-36-31

これで一応 SharePointサイトが利用できるようになりました。SharePoint 2013 と比較すると、データベース含めチューニングされてきているのか、かなりサクサク動いてくれている感じがします。SharePoint Online よりも、軽く動いている気が。。。 尤も、まだ、細かい設定はしていないということも影響しているとは思いますが、製品版でもこのままの操作感を保ってくれるとうれしいんですけれどね。

さて、今後は、Preview 版ではあるものの、調査・研究ついでに私が気になっている点などをブログで適宜ご紹介していきます。とはいえ、あくまでも Preview 版であるため、最終的に変更される点もいくつか出てくると思われます。あくまでも現時点での最新情報として捉えてください。

 

2015年8月29日 (土)

SharePoint Server 2016 Preview の検証環境を作成するための手順が下記の通り公開されています。

この手順に沿いながら、検証環境を構築した際の手順を記載していきます。基本的に SharePoint 2013 と変わらないのですが、若干の違いはあるため、以前のバージョンとの違いに違い部分はコメントを追加しています。

環境情報

私の手元では、Windows Server 2012 R2 ベースの Hyper-V 環境に構築します。SharePointの構築をする事前構成は次の通りです。

  • Active Directory ドメインを構築ずみ。ドメイン名: contoso.com
  • ドメインコントローラー(DC) は独立したサーバー(ちなみに、DCには証明機関ロールを追加しており、エンタープライズ証明機関として動作するように設定済み)
  • SharePoint が利用するデータベース管理システムとして、SQL Server 2014 を別途構築(TCP接続の有効化とFirewallは SharePoint サーバーから接続できるよう構成済み)
  • SharePoint Server 2016 をインストールするサーバーは Windows Server 2012 R2 を使用。ドメインに参加させておく。

事前準備ウィザード

SharePoint Server 2016 のセットアップに事前に必要なモジュールのインストールやセットアップを行うためのウィザードをインターネット接続をした状態で実行します。

  1. Splashをクリックし、スプラッシュ画面起動する
    2015-08-25 22-04-29
  2. 「Install software prerequisites」をクリックする。
    2015-08-25 22-04-45
  3. [次へ]をクリックする。
    2015-08-25 22-05-00
  4. 「I accept the terms of the License Agreement(s) 」をチェックし、[次へ]をクリックする。
    2015-08-25 22-05-24
  5. インストールが始まる。
    2015-08-25 22-05-38
  6. [完了]をクリックするとシステムが再起動される。
    2015-08-25 22-19-38
  7. システム再起動後はログオンすると、自動的にプロセスが継続実行される。
    2015-08-25 22-21-10
  8. Installation Complete と表示されたら、[完了]をクリックする。
    2015-08-25 22-23-02

以上で、事前準備は完了です。ここから先はインターネット接続はなくても構いません。

SharePoint Server のセットアップ

続いて SharePoint のセットアップを行います。

  1. 再び、Splashをクリックし、スプラッシュ画面を起動する
  2. 「Install SharePoint Server」をクリックする。
    2015-08-25 22-53-53

  3. プロダクトキーとして評価用に提供されている  NQTMW-K63MQ-39G6H-B2CH9-FRDWJ を入力する。
    2015-08-25 23-23-00
  4. 「I accept the terms of this agreement」チェックボックスをオンにし、[Continue]をクリックする。
    2015-08-25 23-23-12
  5. インストール先のディレクトリを確認し、必要に応じて変更する。[Install Now] をクリックする。ちなみに、以前のバージョンまでは、ここで[完全]または[スタンドアローン]の選択画面が表示されていたが、SharePoint Server 2016 ではスタンドアロン インスト―ルはサポートされなくなったため、単純にディレクトリの指定のみとなった。
    2015-08-25 23-23-26
  6. インストールが開始される。
    2015-08-25 23-23-39
  7. インストールが終わると次は[製品構成ウィザード]の実行が必要となるが、言語パックをこのタイミングで適用しておきたいので、一旦ウィザードは終了させるため、[Run the SharePoint Products Configuration Wizard now.]チェックボックスをオフにし、[Close]をクリックする。
    2015-08-26 0-21-50
  8. Exit をクリックする。
    2015-08-26 0-22-11

言語パックのインストール

ダウンロードしておいた日本語言語パックをインストールします。

  1. 日本語言語パックのインストーラー内にある setup.exe を実行する。
    2015-08-26 0-23-49
  2. [「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」に同意します]チェックボックスをオンにし、[続行]をクリックする。
    2015-08-26 0-24-02

  3. インストールが開始される。
    2015-08-26 0-24-12

  4. インストールが完了する。続いて製品構成ウィザードを実行するために、「SharePoint 製品構成ウィザードを今すぐ実行する」チェックボックスをオンにしたまま[閉じる]をクリックする。
    2015-08-26 0-24-25

製品構成ウィザードの実行

製品構成ウィザードを実行することで、SharePoint 管理サイトなどが構築されます。

  1. 先ほどの手順の続き。Welcome to SharePoint Products が表示されたら、[Next>]をクリックする。
    2015-08-26 0-24-58

  2. 警告が表示されたら、[はい]をクリックする。
    2015-08-26 0-25-08
  3. [Create a new server farm] を選択し、[Next>]をクリックする。
    2015-08-26 0-25-22

  4. 事前準備したSQL Server のサーバーインスタンスを指定する。構成データベース名は既存の SharePoint_Config のままとする。ファームアカウントは事前に Active Dirctory上に準備している contoso\spfarm というアカウントを使用する。[Next>]をクリックする。
    2015-08-26 0-26-05
  5. パスフレーズとして任意の文字列を指定する 例)Password! など。 パスフレーズは2台目以降のSharePoint Server を追加するときに必要となる合言葉のようなものなので、2台目以降をインストールする予定があれば、覚えておく必要がある。
    2015-08-26 2-35-51
  6. サーバーロールを指定する。ここでは Single-Server Farm を選択する。※サーバーロール指定は、SharePoint 2016 の新機能であり、MinRole と呼ばれる。SharePoint 2013 などでは、サーバーロールは基盤管理者が数あるサービスから選択して、特定のサーバー上で実行する必要があり、環境によってまちまちだった。新たに導入される MinRole では、ロールを指定することで、必要なサービスが自動的に用意されるようになっている。従来通り、任意に開始するサービスを選びたい場合は、Custom を選べばよい。[Next>]をクリックする。
    2015-08-26 2-36-25

  7. サーバー全体管理サイト用のポート番号として、提示される番号を受け入れるか、任意に指定する。また認証プロトコルを指定する。[Next>]をクリックする。
    2015-08-26 2-37-11
  8. 設定内容を確認したら[Next>]をクリックする。
    2015-08-26 2-37-23
  9. 構成が開始される。
    2015-08-26 2-37-34
  10. Configuration Successful が表示されたら、構成は完了である。[Finish]をクリックする。
    2015-08-26 11-29-30
  11. サーバー全体管理サイトが表示される。
    2015-08-26 11-31-12

サーバー全体管理サイトの表示変更

日本語表示に切り替えます。この手順は SharePoint 2013 と変わらないため、詳細が分からない方は拙書などを参考にしてください。

  1. 歯車アイコンをクリックし、[Site settings]をクリックする。
    2015-08-26 11-31-21
  2. Site Administrationセクションにある Language settings をクリックする。
    2015-08-26 11-31-36
  3. Alternate Language として、Japanese を選択し、必要に応じて Overwrite Translation を Yes にする。[OK]をクリックする。
    2015-08-26 11-31-50
  4. 日本語で表示される。
    2015-08-26 11-32-01

ここまでで基本設定は完了です。

2015年8月25日 (火)

[2016年11月追記] 現在は RTM 版がリリースされているため、試用版のリンク先およびプロダクトキーは下記記事とは異なっていますので注意してください。

https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=51493 

***********************************

来年前半リリースが予定されている Microsoft SharePoint Server 2016 IT Preview がパブリックに公開されました!

マイクロソフトダウンロード センターから入手できます。

2015-08-25 12-06-05

ダウンロードは英語版ですが、日本語と、スペイン語の言語パックが同時に提供されています。

システム要件となるOSは、Windows Server 2012 R2 と Windows Server Technical Preview 2 です。その他のシステム要件は基本的に SharePoint 2013 と同様です。Technical Preview は180日間のトライアル版となっています。上記ページにも記載されていますが、プロダクトキーは NQTMW-K63MQ-39G6H-B2CH9-FRDWJ です。

関連資料は下記のリンクから公開されています。

さて、Preview の公開に併せて、Microsoft TechNet も新たに SharePoint Server 2016 Preview に関するページが追加されています。まずは基本的な情報収集はここで行うことになります。

2015-08-25 12-10-10

また、TechNetには SharePoint Server 2016 Preview 用の専用フォーラムもオープンしており、既に質疑応答が始まっています。

また、Yammer ネットワーク (SharePoint YamJamグループ) では、8月26日水曜 9:00am - 10:00 am PDT に YamJam が開催されます。YamJam って何? という方もいらっしゃると思いますが、平たく言えば、限られた時間内だけYammer 内で文字だけでやり取りする質疑応答タイムのことを言います。Microsoft社は Yammer を使って様々な分野に関して適宜 YamJam セッションを行っています。

 "To coincide with this announcement, we are hosting a YamJam on Wednesday, August 26, from 9:00am - 10:00 am PDT in the SharePoint YamJam group. You can add the YamJam to your calendar here and view the event in your time zone here. "

ということで、取り急ぎの情報共有はここまで。

私の方でもこれから検証始めます!

2015年5月27日 (水)

※2015/5/27 記事をよりわかり易いようにブラッシュアップしました。

現在 日本マイクロソフト社が de:code 2015 を開催中ですが、イベントの規模からみても、Office 365 関連の情報は Microsoft Ignite 2015 と比較すると少ない印象ですね。

さて、2015年末までに、Office 365 ではエンタープライズ検索用の新たなハイブリット検索シナリオが利用できるようになります。

そもそも現在はどうなっているかといえば、Office 365 とオンプレミスの SharePoint Server との検索連携はそれぞれの検索インデックスに結果が格納され、Office 365 または オンプレミスの SharePoint Server 2013 いずれからかの検索結果にそれぞれの検索結果を取得できるようになっています。検索結果が格納されている検索インデックスが異なるため、結果は個別の結果セットとして扱われます。

新しいサービス アプリケーションによりオンプレミスの検索結果が統合される

簡単に言うと、今後はバラバラになっている検索インデックスが Office 365 に統合できるようになります。2015年度末までにオンプレミスのSharePoint Serverに対して Cloud Search Service Application が提供される予定になっています(SharePoint Server 2013 だけでなく、SharePoint Server 2016 も同様になるようです)。このサービス アプリケーションが提供されることで、Office 365 上からオンプレミスにある次のコンテンツが検索できるようになります。

  • 既存の SharePoint Server 2007, 2010, 2013
  • ファイル共有
  • BCS コネクター

理屈は次の通りです。オンプレミスの新しいサービス アプリケーションを導入することで、オンプレミス側はコンテンツクロールとコンテンツ解析のみを受け持ち、この情報をセキュアな状態で Office 365 側に渡します。Office 365 側では、受け取ったデータを処理し、SharePoint Online の検索インデックスに格納します。このようにして、今までバラバラになっていた検索インデックスが統合できるようになるわけです。

HybridSearch

[Microsoft Ignite 2015 より]

そのため、SharePoint Online 上からの検索結果は、SharePoint Online もオンプレミスも同一の検索結果ページに表示されるようになります。とはいえ、たとえば、オンプレミスからの結果なのか、それとも SharePoint Online 上からの結果なのか、区別して検索結果ページをカスタマイズしたいというニーズもあるでしょうから、isExternal というメタデータが設定されるようになるようです。

Office 365 導入ユーザーの方からは、オンプレミスと Office 365 の検索の違いを研修などでご案内すると、「ファイルサーバー検索ってオンプレミスだけなんですか、残念」といわれてきましたので、これは朗報といえると思います。

ただ、これで万々歳とはいきません。当然、Office 365 に一本化と思っていたところに再びオンプレミス環境が必要ということになりますし、基盤の準備が必要です。具体的には、この仕組みを使うには、サービス アプリケーション以外に次の条件を満たす必要があります。

  • SharePoint を含むOffice 365 サブスクリプション (アクティブ化されたユーザー)
  • Active Directory ユーザーとグループのディレクトリ同期
  • オンプレミスの Office Web Apps サーバーへの戻るためのリバースプロキシ (検索結果プレビューに必要)

ということで、弊社の「Microsoft SharePoint 2013 エンタープライズ検索の構成とカスタマイズ基礎」コースでは、アップデート情報なども適宜ご紹介していく予定です。

現在オンプレミス環境を使っている方は今後 Office 365 に移行するという選択肢もあると思いますし、Office 365 導入済みまたは導入予定の組織の方にとっても既存資産を生かすために有用だと思います。今現在は未提供のサービスですが、今後の導入を見据えての予備知識としてオンプレミスでのエンタープライズ検索の構成や仕組みを一通り学習しておくと安心です。ご受講も併せてご検討ください。