カテゴリ「SharePoint 2016」の42件の投稿 Feed

2015年5月22日 (金)

Yammer の Office 365 Network などで最新情報がいくつか出てきています。

不確定要素はあるものの重要な情報も多いため、気になっているところを中心に、都度、整理します。

  • SharePoint Foundation 2016 は出荷する予定はない
  • InfoPath 2013 クライアントは SharePoint 2016 でも引き続きサポートする予定であり、SharePoint Online でも引き続き利用できる。InfoPath 2013 のサポート期限は 2023年まで。これと並行して、新しいフォームおよびワークフローのシナリオを考えているところだが、まだ具体的に発表できる段階ではない
  • SharePoint 2016 用の SharePoint Designer は出荷する予定はない。しかし、SharePoint Designer 2013 のサポートは SharePoint 2016 でも継続する。これと並行して新たなフォームやワークフローシナリオを利用できるような新しいアプリケーションを考えているところである
  • Microsoft Ignite セッションでは、SharePoint 2016 ではSAML クレームベース認証が市民権を得るような話ではあったが、NTLMやKerberos などのWindowsのクラシック認証がなくなるわけではなく、引き続きサポートはされるとのこと。ただし、ドメイン ベースの認証に対して、クラウド時代に適した認証にも取り組んでいるところである
  • Skype for Business によるオンライン会議を録画して、Office 365 Video に発行する機能はサポートする予定だが、当面はイントラネットのシナリオとなる。
  • Office 365 Video のオンプレミス版用の提供は予定されておらず、オンプレミス環境とクラウド環境のハイブリッドシナリオとなる
  • ActiveX を使った前時代的なシナリオはなくそうとしており、HTML5 などに置き換え、ブラウザー間の違いをなくそうとしている
  • SharePoint 2010, 2013 では、ユーザー プロファイルの同期に FIM が利用できるようになっているが、SharePoint 2016 では FIM はなくなる。Active Directory との同期は一方向の同期をサポートし、双方向の同期シナリオでは、外部の MIM (Microsoft Identity Manager) を使う必要がある

 

2015年5月13日 (水)

先日の Microsoft Ignite 2015 で公開されたオンプレミスの SharePoint Server 2016 に関する情報ですが、Microsoft TechNet Blog に補足情報が公開されています。

これらの情報は、今後変更される可能性がありますが、Ignite でのセッション内容も踏まえつつ自分の頭の整理を兼ねて概略まとめておきます(意味の取り違いがあればご指摘ください)。


システム要件

※ディスク容量は上記資料を参照のこと

シナリオ説明ProcessorRAM
SQL Server  : 単一インスタンス 開発および評価 (最小構成サービスのみ起動) 64bit, 4コア 12-16 GB
SQL Server  : 単一インスタンス

パイロット、
ユーザー受け入れテスト(すべてのサービス起動)

64bit, 4コア 16-24 GB
Webサーバーまたはアプリケーション サーバー (3層構成) 開発および評価 64bit, 4コア 8-12 GB
Webサーバーまたはアプリケーション サーバー (3層構成) パイロット、
ユーザー受け入れテスト(すべてのサービス起動)
64bit, 4コア 12-16 GB

展開シナリオ

SP2013と基本的に同じで、次のものはサポートされない。

  • ワークグループ構成
  • クライアント OS
  • ダイナミックメモリ
  • Windows Web Server

OS要件

Windows Server 2012 R2 と Windows Server Technical Preview

.NET Framework

  • Windows Server 2012 R2 の場合→.NET Framework 4.5.2
  • Windows Server Technical Preview の場合→ .NET Framework 4.6 Preview

事前準備

従来とあまり変わりません。

  • アプリケーション サーバー ロール、Web Server (IIS) ロール
  • Microsoft SQL Server 2012 Native Client
  • Microsoft ODBC Driver 11 for SQL Server
  • Microsoft Sync Framework Runtime v1.0 SP1 (x64)
  • Windows Server AppFabric 1.1
  • Cumulative Update Package 1 for Microsoft AppFabric 1.1 for Windows Server (KB2671763)
  • Microsoft Identity Extensions
  • Microsoft Information Protection and Control Client
  • Microsoft WCF Data Services 5.0
  • Microsoft WCF Data Services 5.6
  • Microsoft .NET Framework 4.5.2
  • Update for Microsoft .NET Framework to disable RC4 in Transport Layer Security (KB2898850)
  • Visual C++ Redistributable Package for Visual Studio 2013

データベースサーバー要件

基本的には SQL Server 2014 を使用することになるが、 SQL Server 2016 もサポートする予定。

※補足---SQL Server Express Edition を使った自動インストールはサポートされなくなります。

MinRole (v1) 概要

MinRole は既に Microsoft Ignite レポート記事でご案内した通り、新たに導入されるインフラストラクチャーの概念です。

これまで私の講義でも、 SharePoint は Webフロントエンド, アプリケーション サーバーもしくはバッチ処理サーバー,

データベース サーバーなどの役割で3階層に分けましょうと説明していたわけですが、実際にインストールする際にはこうしたロールの概念はそもそもなく、インストール後にどのサーバーにどのサービスを配置するかを決定することで、ロールとみなしていたわけです。
そのためロールは、あいまいな概念でした。しかし、新たに導入される MinRole トポロジーでは、インストール時にこうしたロールを選択できるようになります。各サーバーのロールが決まっていますから、キャパシティ プランニングも簡素化され、またパフォーマンスも予測しやすくなるということです。

ちなみに、MinRoleはあくまでも推奨トポロジーということですから、従来通りのトポロジー構成でも構築は可能ということです。各ロールは6つに分かれます。

  • Special Load (他のサービスとは独立させるサーバーで構成は従来のサーバーと同様に必要なサービスを起動する。3rd パーティ、PerformancePointなどのサーバー用)
  • Web Front End (エンドユーザーからの要求を受け付ける。遅延が小さくなるよう最適化)。
  • Single Server Farm (単一サーバーにすべてのサービスを用意する)
  • Search (検索サービス用)
  • Application (バックエンドジョブやバックエンドジョブがトリガーになっている要求を受け付ける。スループットが高くなるように最適化)
  • Distributed Cache (分散キャッシュ用。オプションとして、このロールをサーバーに割り当てることで、Webフロントエンド間のエンドユーザーからの要求を負荷分散するようになる)

MinRole は製品構成ウィザード (PSCOnfig GUI) またはコマンドラインから指定できます。

ちなみに、補足ですが、Microsoft Ignite イベントでの質疑応答にありましたが、ロールはコマンドを使って後から変更できるようです。

ヘルスチェック ルールとコンプライアンス

SharePoint 2016 では、各サーバーが割り当てられたロールを徹底できるよう、新しい Health Analyzerのヘルスチェックのルールが追加されます。これによって問題があれば、通知してくれるようになるようです。

アップグレード

SharePoint Server 2013 からのアップグレードをサポートしています。SharePoint Server 2013 からアップグレードするには、データベース アタッチによるアップグレードが行えます。

インプレース アップグレードについては、記載がないですね。ちなみに、SharePoint 2010モードのサイト コレクションは、先に 2013 モードにアップグレードしてから SharePoint 2016 にアップグレードする必要があります。コンテンツDBとサービス アプリケーションDBをコピーして、SharePoint 2016 ファームにアタッチ後データベースをアップグレードするという手順となるようです。