SharePoint 2013 では、[別ユーザーでサインイン]するメニューがなくなりました。一般の利用者の方は、この機能をあまり使わなかったかもしれませんが、機能検証を行う方や開発者の方は、アクセス権限の違うユーザーを複数切り替えて試すために、非常によく利用している機能だと思います。
[SharePoint 2010 の別ユーザーでログインするためのメニュー]
地味な変更点ではあるのですが、これまでの操作に慣れている方にとっては思いのほか不便に感じると思います。Webを検索してみると、多くの方がいろいろな代替案を考えているようです。とはいえ、一応、マイクロソフトの方が推奨していたのは、別ユーザー権限でブラウザーを起動するショートカットを作成する方法でした。
まずはオーソドックスなショートカットの作成方法を記述しておきます(自分への備忘録を兼ねている)。
- Windows エクスプローラー(IEではありません)を開き 、C:\Program Files(x86)\Internet Explorerフォルダーにアクセスする
- iexplore.exe を右クリックし、[ショートカットの作成]をクリックする。これにより、デスクトップにショートカットを作成する。
- デスクトップに作成されたショートカットを選択した状態で右クリックし、[プロパティ]をクリックする
- リンク先 フィールドに runas.exe の実行を追記します。たとえば、"contoso\yamasaki" というアカウントでアクセスしているとすると「%systemroot%\system32\runas.exe /user:contoso\yamasaki "C:\Program Files (x86)\Internet Explorer\iexplore.exe"」と記述します。
- [適用]ボタンをクリックする
以上で設定は終わりです。ショートカットをダブルクリックするとパスワードを聞かれるので、パスワードを入力します。
ちなみに、パスワードの入力結果のフィードバックは画面上には何も表示されませんので慌てずに、パストワード入力後に Enter キーを押下します。正常であれば IE が起動します。もしIEが起動しない場合は、ショートカットの指定が間違っているか、パスワードが間違っている可能性があります。
別の方法として、任意のアプリケーションを別ユーザーとして起動するというものもあります。IEでも実行できます。アプリケーションのファイル(ここではiexplorer.exe)をShiftキーを押下しながら右クリックし、表示される[別ユーザーで起動]メニューをクリックします。
さらに別の方法として、SharePoiont 2010 と同様に "http://<サイトのURL>/_layouts/closeConnection.aspx?loginasanotheruser=true" を利用する方法もあります。とはいえ、あくまでも SharePoint 2010 のアプローチであり、この方法が製品版でも利用できるのかは今のところ分かりません。現状のプレビュー版では利用できるので、このURLをサイトのリンクリストなどに記述しておくと便利だと思います。
ちなみに、もっと強者もいらっしゃって、SharePoint ルートディレクトリにある Welcome.ascx ファイルを直接編集して、別ユーザーでサインインできるようメニューを表示するように変える方法もありました。この方法は、あくまでも開発環境でのみしかお勧めしませんが、ご参考まで。手順は次の通りですが、Welcome.ascx ファイルは編集前にバックアップしておいてから試すようにしましょう。
- Windows エクスプローラーを使って C:\Program Files\Common FIles\Microsoft Shared\web server extensions\15\TEMPLATE\CONTROLTEMPLATESにアクセスする
- WeblCom.ascx をメモ帳などで開く
- 既存の "ID_RequestAccess" のIDで始まる要素の前に次の要素を記述して、保存する。
※結果、別ユーザーとしてサインインするためのメニューが表示される
[参考]
- http://dirkvandenberghe.com/2012/07/18/sharepoint-2013-login-as-a-different-user.html
- http://www.little.org/blog/2012/07/17/launch-your-web-browser-as-another-user/
- http://nickgrattan.wordpress.com/2012/07/23/sign-in-as-different-user-and-sharepoint-2013/
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