すでにご存じの方も多いかと思いますが、Office Web Apps はSharePoint 2013 とは別サーバーにインストールする必要があります。その代り、SharePoint 2013 だけでなく、Exchange 2013 や Lync Server 2013 でもこの機能を利用できるようになりました。つまりは柔軟な利用ができるようになったのですが、トレードオフとして Office Web Apps 自体の設計をきちんとしなければならないという点が、今回の記事の要点です。
Office Web Apps Server 2013 はリアル サーバーだけでなく、Hyper-V上にも構築できます。いずれにしても、Office Web Apps 専用サーバーとして構築することが推奨されています。つまり、SharePoint、Exchange, SQL Server などのサーバーと同居させてはいけないということです。また、Office アプリケーションをインストールしてはいけません。さらに 80, 443, 809 番ポートを利用するIIS に依存するサービスはインストールしてはいけません。
そのほかにも、SharePoint 2013 サーバーとは別サーバーとなったため、ネットワーク関連を考慮する必要があります。
■ 単一構成かファーム構成か
Office Web Apps Server 2013 は単一サーバーとして構築することもできますが、負荷分散のために、Office Web Apps Server はサーバーファームを構成できます。この場合のBest Practice は全サーバーが同一ドメインにあることです。
■ HTTP か HTTPS か
SharePoint を含む他のサーバーとの通信には HTTP または HTTPS が利用できるようになっています。推奨は HTTPS です。HTTP の場合は、SharePoint 2013 および Exchange 2013 で利用できますが、Lync Server 2013 とは連携できません。Lync Server 2013 は HTTPS の通信しかサポートしないためです。
■ Firewall
HTTPS の場合は TCP 443, HTTP の場合は TCP 80, Office Web Apps サーバーが複数ある場合のサーバー間通信には TCP 809 が使われます。
詳細については下記のリンクを参照してください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj219435(v=office.15).aspx
余談ですが、Office Web Apps は独立したサーバーとなっているため、Office Web Apps Server 2013 と呼ばれます。ちなみに、このサーバーの略称ですが、 単純に考えるとOWA と思われるのではないでしょうか。しかしこれでは Outlook Web Apps と紛らわしいので、昔の名残であるOffice Web Application Components の頭文字をとってWAC や WAC 2013 とも呼ばれます。英語のドキュメントやブログ記事などを読む際にはこうした略語を覚えておくことは重要です。
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