2016年5月

2016年5月 6日 (金)

2016年5月4日に Office Online Server 2016 のリリースがアナウンスされましたが、現時点では、MSDNダウンロードから入手できない状況になっています。ボリューム ライセンス プログラムを持っている方は、先行して利用できるようになっているようです。

どこから入手できるのかと困っていたら、Office Online Server now available のコメント欄に Microsoft の方から情報が上がりました。MSDNからはOffice Online Server の言語パックとライセンスキーは入手できますが、肝心の本体は 2016年5月9日の早朝(U.S時間) からダウンロードできるようになるようです。まずは、待ちですね。

他にも困っている方が要ると思うので、情報共有しておきます。

***更新情報 (2016/05/10)**

日本時間で 2016/5/10 現在、MSDNより Office Online Server が利用可能になっています!

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2016年5月 5日 (木)

2016年5月5日、日本時間 01:30AM (真夜中) より、SharePoint Server 2016 が GA (Generally Available) となったことを受け Microsoft 社のバーチャル イベントが開催されました。とはいえ、タイトルは "The Future of SharePoint " となっており、今後の SharePoint がどうなっていくのか、という話がメインです。つまり、Office 365 (SharePoint Online) での将来的なアップデート情報が中心でした。このイベントはサンフランシスコからの生中継ストリーミングだったのですが、肝心の オンプレミス SharePoint Server 2016 情報に関しては幸いなことに YouTube に収録済みの動画が公開されており、オンデマンドで閲覧できます。

本記事は下記のビデオからの要約と補足です。

 

  • 検索 - 検索サービス アプリケーションあたり 500M アイテムまでサポート (従来の2倍)
  • リスト ビューのしきい値 - SharePoint 2010 / 2013 では1リストやライブラリあたり 5,000 アイテムの壁がありましたが、事実上なくなり 5,000 アイテム以上でも基本的には問題なく利用できるようになりました。この件は下記の記載している TechNet 記事に書かれています。ただし、幾つかの条件があります。列のインデックス追加や削除をする場合は 既定で 20,000、リストやフォルダーを削除する場合は、100,000、同一ライブラリ内のフォルダー名を変更する場合は 100,000がしきい値であるようです。
  • 作成できるサイトコレクションおよびサイトの数が従来の 5倍に。
  • コンテンツ データベースの推奨上限値が1TB に。従来は 200GB だったため、これも 5倍。
  • ファイル サイズが 10GB まで。現在、SharePoint Online は 10GB になっていますので、オンプレミスも同様にサポートされるようになります。ただし、既定値はあくまでも250MB までとなっています。とはいえ、実際にはネットワークの帯域やデータベースの成長率など考慮することが多々あるため、そう簡単に 10GB を既定値にはできないと思われます。設定を変えれば、最大は 10GB まで可能という意味ですね。従来は Max 2GB まででしたので、こちらも 5倍です。

ちなみに、TechNet サイトの "Software boundaries and limits for SharePoint Server 2016" はまだ情報がきちんと更新されておらず、ほとんどが SharePoint 2013 のままです。来週もMicrosoft 社が SharePoint に関するオンラインイベントを開催しますし、今日から GA となったため Microsoft 社の製品サポートも開始されますから、じきに情報が更新されると思われます。より正確な情報(サポートされるという意味) は TechNet 記事を待ちたいところです。

2016/5/3 (U.S) より、SharePoint Server 2016 の RTM が MSDN からダウンロード可能になっています。評価版を使ってきた方で MSDN を入手できる方は次の手順でライセンスを入れ替えましょう!

  1. SharePoint 2016 サーバー全体管理サイトにアクセスする
  2. [アップグレードと移行]>[ファーム ライセンスの種類の変換] をクリックする。
    2016-05-05 0-40-34
  3. 評価版の場合は、現在のライセンスが "SharePoint Server 評価版(エンタープラズ クライアント ライセンス付き)" となっている。プロダクトキーに MSDN 版のSharePoint Server のプロダクトキーを入力する。ハイフンは手動で付与。[OK]をクリックする。

    2016-05-05 0-01-45
  4. 「ライセンス変換処理が正常に完了しました。」と表示されれば完了です。
    2016-05-05 0-09-29
2016年5月 4日 (水)

Microsoft 社のStefan Goßner さんのブログに下記の記事が公開されていましたので、日本語で要約しておきます。詳細は原文を参照ください。

SharePoint では更新プログラム適用時に、まずバイナリをインストールし、次に SharePoint 構成ウィザードを実行する(データベースの更新)という2つのステップがあります。

バイナリのインストールでは、SharePointに関係する Windows サービスや IIS Webサイトの停止と再開が必要となるため、ダウンタイムが発生します。そもそも、SharePoint 2013 まではこのバイナリも非常に大きいサイズになっており、GB級であったため、場合によっては数時間かかかります。しかし、一斉にすべての SharePoint サーバーに適用する必要はないため、従来のバージョンのSharePoint でも、 サーバー ファームではサーバーを冗長化しておくことでゼロ ダウンタイムを達成できるようにしてきたわけです。

さて、すべてのSharePointサーバーにバイナリがインストールできたら、すべての SharePoint サーバー上で SharePoint 構成ウィザードを実行していかなくてはなりません。SharePoint 2013 以前ではこの部分が避けられないダウンタイムになっていました。このウィザードを実行する際に、実行中に全サーバーで共有しているデータベースに対して更新プログラムを適用します。SharePoint で使用するストアドプロシージャ、ビュー、トリガー、制約などが対象です。場合によっては、更新プログラムによってはこれらを一旦削除し作り治すこともあります。このため、データベースのアップグレード中は SharePoint コンテンツへのアクセスはサポートされていなければ、動作テストもされていないということです。

SharePoint 2016 では、更新プログラムの MSPファイル数もかなり削減され、パッチ適用時間が短縮できるようになりました(なお、SharePoint Server 2016 はすでに 4月の更新プログラムがリリースされています。このファイルは200MB未満で、以前に比べるとかなり小さくなっています)。また、データベースのアップグレードに関する部分が大幅に改善されています。例えば、ストアド プロシージャが更新前の古いバージョンとの下位互換性を保てるようになっていたり、ストアドプロシージャを削除せずに更新できるようにしているようです。つまりは、製品構成ウィザード実行中に SharePoint コンテンツにアクセスできなくなるという状況がなくなるわけです。しかし、誤解してはならないのは、製品構成ウィザードを実行するサーバーへの IIS 等のアクセスはできなくなりますので、冗長構成が前提です。利用規模や予算の都合上、SharePoint は1台のみしかないというケースも多々ありますが、この場合はダウンタイムは必ず発生します。

ということで、以上を整理すると、冗長構成を前提とする場合は次のように変わります。

更新プログラムの適用フェーズ SharePoint 2013 以前でのファーム全体としてのゼロダウンタイムの達成 SharePoint 2016におけるファーム全体としてのゼロダウンタイムの達成
更新プログラムのインストール YES YES
アップグレード(DB) NO YES

 

さて、記事では、アップグレードのスピードを上げるために、従来通り Upgrade-SPContentDatabase コマンドを使って、複数のコンテンツDBを並行してアップグレードすることなどは可能であると記載されています。本件についてはTechNet 記事(Install a software update for SharePoint Server 2016)には次のように記載されていますので、ご注意ください。同一の SQL Server ボリューム上では2つのコンテンツデータベースまでにしておいたほうが良さそうです。

You can also upgrade individual content databases in parallel for a very small number of content databases at the same time. However, do not attempt to upgrade too many content databases in parallel because it will slow down the overall upgrade process. We recommend that you do not upgrade more than two content databases on the same SQL Server volume at a time. ...

2016年5月 3日 (火)

SharePoint Server 2016 の PU , CU , SP のリリース状況を備忘録として公開します。

SharePoint 更新プログラムの考え方についてはブログ記事の「SharePoint 更新プログラムについての要約」を公開していますので、こちらも併せて読まれることをお勧めします。

Microsoft社が現在提供している Hotfix はマルチ言語対応になっているため、CU にはすべての言語が含まれています。更新プログラムを適用する際には、運用環境適用前に十分なテストを実施することが推奨されています。また、CU, PU, SP のいずれに関してもアンインストールはできないので注意してください。

更新プログラムには言語依存と非言語依存と2つありますが、両方インストールする必要があります。

ビルド番号 ビルド名 サポート文書番号 備考 (特に気になる Fix 項目や機能向上点など含む)

16.0.4588.1001
(言語非依存)

16.0.4588.1000 (言語依存)

 Feature Pack 2
(September 2017 CU)
KB4011127
(言語非依存)
KB4011112
(言語依存)

Feature Pack 2 です。Windows Update からも入手可能です。今回の目玉は SharePoint Framework の対応です。新たなWebパーツ開発の仕組みが利用できるようになっています。

今回も言語依存と非依存とでビルド番号が異なります。SharePointサーバー全体管理サイトの「このファームのサーバー管理」ページでは、言語依存の番号、つまり 16.0.4573.1002 が表示されます。ちなみに、正確なビルド番号の表示は、サーバー全体管理サイト内の「アップグレードと移行」>「更新プロクラムの状態の管理」確認できます。モジュールごとには言語非依存のビルド番号も確認できます。

16.0.4573.1002
(言語非依存)

16.0.4573.1000 (言語依存)

August 2017 CU

KB4011049
(言語非依存)
KB4011053
(言語依存)

今回も言語依存と非依存とでビルド番号が異なります。SharePointサーバー全体管理サイトの「このファームのサーバー管理」ページでは、言語依存の番号、つまり 16.0.4573.1002 が表示されます。ちなみに、正確なビルド番号の表示は、サーバー全体管理サイト内の「アップグレードと移行」>「更新プロクラムの状態の管理」確認できます。モジュールごとには言語非依存のビルド番号も確認できます。

16.0.4561.1000

July 2017 CU

KB3213544
(言語非依存)

KB3213543
(言語依存)

 

16.0.4549.1001 (言語非依存)

16.0.4549.1000 (言語依存)

June 2017 CU

KB3203432
(言語非依存)

KB3203433
(言語依存)

 今回は、言語依存と非依存とでビルド番号が異なります。SharePointサーバー全体管理サイトの「このファームのサーバー管理」ページでは、言語依存の番号、つまり 16.0.4549.1000 が表示されます。言語依存の方が、従来の SharePoint Foundation の更新プログラム的な位置づけのようです(ダウンロードファイル名もwssで始まりますし)。

ちなみに、正確なビルド番号の表示は、サーバー全体管理サイト内の「アップグレードと移行」>「更新プロクラムの状態の管理」確認できます。モジュールごとには言語非依存のビルド番号も確認できます。

16.0.4534.100

May 2017 CU

KB3191880
(言語非依存)

KB3191884
(言語依存)

KB3191880 は Security Update が含まれており PU となっている(Windows Update などからも入手可能)。

Import-SPWeb に PreserveDeletedUserMetadataReferences スイッチが追加されたため、削除済みのユーザーが作成したり編集したアイテムのメタデータも保持できるようになった

16.0.4522.1000

April 2017 CU

KB3178718
(言語非依存)

KB3178721
(言語依存)

SPServer.CompliantWithMinRole プロパティが追加されたため、PowerShell コマンドからでも MinRole への準拠状況が確認できるようになった。

16.0.4510.1001

March 2017 CU

KB3178672
(言語非依存)

KB3141517
(言語依存)

 

16.0.4498.1002

Feburary 2017 CU

KB3141515
(言語非依存)

KB3141517
(言語依存)

 トラブル情報 : Common Error: “Verify that the critical User Profile Application and User Profile Proxy Application timer jobs are available and have not been mistakenly deleted.” after February 2017 CU for SharePoint Server 2016

16.0.4483.1001

January 2017 CU

KB3141486
(言語非依存)

KB3141487
(言語依存)

 KB3141486 はSecurity Update が含まれており PU (Windows Update などからも入手可能)。

 

16.0.4471.1000

December 2016 CU

KB3128014
(言語非依存)

KB3128017
(言語依存)

Files can be copied side-by-side during a PSConfig upgrade to support Zero Downtime Patching. 

16.0.4456.1002

Feature Pack 1 (November 2016 CU)

KB3127940
(言語非依存)

KB3127942
(言語依存)

Feature Pack は Office 365 の最新機能などが盛り込まれた大幅な機能アップデート

16.0.4444.1004 (KB3118372)
16.0.4444.1000
(KB3118376)

October 2016 CU

KB3118372
(言語非依存)

KB3118376
(言語依存)

 KB3118372 : The patching and upgrade time is improved in the October 2016 public update to be 20% - 40% faster than the September 2016 public update. However, patching and upgrade will still take longer than previous public updates. Please be patient while patching and upgrading operations are completing.

Note This issue is fixed in November 2016 PU for SharePoint Server 2016 (Feature Pack 1).

 

16.0.4432.1003 September 2016 CU
 
16.0.4417.1002 August 2016 CU KB3115437(言語に依存しない)
KB 3115441 (言語に依存する)
 
16.0.4405.1000 July 2016 CU KB 3115299 (言語に依存しない)
KB 3115304 (言語に依存する)
言語に依存しない更新プログラムは、セキュリティFix が含まれる。
16.0.4393.1000         June 2016 CU KB 3115181 (言語に依存しない)
KB 3115184 (言語に依存する)
 
16.0.4378.1000 May 2016 CU KB 3115088 (言語に依存しない)
KB 2920690 (言語に依存する)
2つのCUがあり、両方ともインストールが必要。言語に依存しない方は、構成データベースの更新が必要となるような変更が含まれる。言語依存の更新は、言語リソースファイル(*.resx)や Javascript ファイルに含まれる文字情報の更新となる。このため、言語パックごとにCUをダウンロードする必要があるという意味ではない。それぞれのCUにすべての言語に対するFix が含まれている。
16.0.4366.1000 April 2016 CU KB 2920721  RTM後の初リリース
16.0.4327.1000 RTM