8月19日付で Technet Blog に SharePoint の更新プログラムに関してわかり易く説明されている記事が公開されています。更新プログラムについては、わかりにくい部分があるため、自分のためにもポイントを要約しておきたいと思います。
SharePoint は累積更新プログラム (CU) が定期的にリリースされています。これにより、バグ修正などが行えるようになっています。ところで、何が "累積" されるかといえば、これまでの修正プログラムが含まれていくという意味です。ただし、SharePoint の場合には複数のコンポーネントで成り立っているため、各コンポーネントごとに累積していくという意味であることに注意しなくてはいけません。
【※図は TechNetより引用】
更新プログラムには「サーバー パッケージ」("Uber" Package ともいうそうです) と呼ばれるものがあり、これはその月の対象コンポーネントのCUのみでなく、これまで提供された他のコンポーネントも含む更新プログラムを丸ごと含んでいるものです。
※図は TechNetより引用
これまで CU は2か月おきにこのサーバー パッケージとして提供されてきたのですが、2014年7月からは毎月 CU をリリースするよう変更されています。
"In the past we released cumulative updates every second month. Starting in June we began shipping cumulative updates every month."
そして、2014年8月のCUでは初めてサーバー パッケージではない CU が提供されています(2014年7月 CU は サーバーパッケージです)。つまり、修正が必要なコンポーネントに対する累積された更新プログラムのみが提供されるということです。
こうした変更は、より素早く Fix を提供するための措置ということです。たとえば累積された修正プログラムの一つに不具合が見つかった場合に、その修正を待ってサーバーパッケージとして完全なものを目指すと提供が遅れてしまうため、CUから問題のある Fix のみを取り除いてリリースするという判断だそうです。そのため、今後は CU といっても、サーバー パッケージでないものも適宜提供されるようになるため、更新プログラム適用の際はこの辺の状況は把握しておく必要があります。
また似たようなものに PU (Public Updates) がありますが、これはセキュリティ修正と SharePointを利用しているユーザー全員に適用したほうがよい更新プログラムを含んでいるものです。CUのサブセットという位置づけです。これもサーバーパッケージとは異なり、修正が必要なコンポーネントのみ対応しています。PU は必要に応じて毎月でもリリースされます。といっても、実際にはこれまで毎月という頻度では提供はされていません。
以上を整理すると次の通りです。それぞれ必要があれば各月ペースで提供されます。なお、どの更新ブログラムもコンポーネント単位でみれば必ず累積されています。
- CU (サーバーパッケージ) … 従来から提供されてきているもので、これまで更新プログラムがリリースされたコンポーネントすべてに対する累積修正プログラムを含む。ユーザーは必要に応じて適用する。
- CU (サーバーパッケージでない) … 2014年6月から提供が始まった。修正が必要になったコンポーネントについては累積した更新プログラム。その月の対象でないコンポーネントは含まれない。ユーザーは必要に応じて適用する。
- PU … 基本スタンスとしてはサーバー パッケージでない CU と同様であり修正プログラムの提供は特定のコンポーネントとなるが、こちらは全ユーザーに適用を推奨している。そのためWindows Update等で配布される
上記のような背景からサーバーパッケージに関してはSharePoint Server用を適用すればよいのですが、それ以外については SharePoint Foudation 用とSharePoint Server用の両方の修正プログラムの適用が必要となるようです。
また、更新プログラムを適用する際に大切なのがベースラインの把握です。提供する立場からすれば、どの時点からの差分として更新ブログラムを提供するかという話ですね。そうしないと更新プログラムのファイル サイズも肥大化しますし。基本的にはまずはRTMがベースですが、その後は最新の PU および Service Pack がベースラインとなります。
現時点で適用されている更新プログラムの確認方法は、書籍でもサーバー全体管理サイトの「ファームのサーバー」ページの構成データベースのバージョンを確認しましょうとご紹介してきましたが、このバージョンはSharePoint foundation コンポーネントのみが管理対象であるということで、参考程度にしかならないとのこと(まったく役立たないわけではありません)。厳密にはサーバー全体管理サイトの「更新プログラムの状態の管理」ページを確認するのが正しいようです。といっても細かすぎて、すぐにわかるレベルではないので酷な話とも思いますが。。。
「更新プログラムの状態の管理」ページ