主に学校などの教育機関向けの機能として用意されているのが「監視ありチャット機能」です。商用テナントでも利用できます。
これは教師がその場に居合わせなければ、生徒同士でチャットできないようにするための機能です。チャットそのものをオフにしてしまうと不便であるため、監視役として先生がその場で立ち会うことを条件に生徒間でチャットを許可するわけです。
チャットの権限の役割をユーザーに割り当てる
チャットの権限には次の3つがあります。
すべての権限 (Full permission)
どのユーザーともチャットを開始できるため、他の先生やスタッフ、生徒全員とチャットできるということです。監視役の教育関係者にこの役割を割り当てます。
限定された権限 (Limited permissions)
完全な権限を持つユーザーおよび限定された権限を持つユーザーとはチャットできますが、制限されたユーザーとはチャットを開始することはできません。この役割は、生徒へのアクセスは監視下だけに限定され、他のスタッフや教育関係者へは常にアクセスできる立場スタッフに最適です。
制限付き権限 (Restricted permissions)
完全な権限を持つユーザーとだけチャットできます。完全な権限を持つユーザーが招待する会話に参加できます。
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権限の役割の割り当ては、Microsoft Teams管理センターの「メッセージングポリシー」内の[チャットの権限の役割]で行います。
※PowerShellを使う場合は ChatPermissionRole ポリシーを使います。
監視つきチャットを設定する
チャットの役割を指定したら、テナント全体での「監視付きチャット」を有効化します。この機能は既定では無効です。Microsoft Teams 管理センターの「Teamsの設定」で「役割ベースのチャット権限」をオンにします。
機能の検証
機能を検証するために3つのポリシーを用意しました。
- Students…制限付き権限
- Teachers…すべての権限
- Staffs…限定された権限
検証用に用意した各ユーザーは次の通り。
Students ポリシーを割り当てたユーザー
- 浅田 裕子
- 横田 和馬
Teachers ポリシーを割り当てたユーザー
- Ai HIRANO
Staffs ポリシーを割り当てたユーザー
- John Smith
生徒同士での会話を試す
横田さん⇒浅田さんにプライベートチャットを送ってみます。これは送信できません。
生徒から先生に直接チャットする
生徒から先生へ (この場合は横田さん⇒HIRANO) の直接のチャットも禁止されます。
先生が生徒をメンバーとしたグループチャットを開始する
先生が生徒(横田さん、浅田さん)を追加してグループチャットを作成すると、生徒同士でもグループチャット内でやり取りができるようになります。
先生がグループチャットから退出する
先生がグループチャットから退出しようとすると、退出できないというメッセージが表示されます。監視役の人はいなくなるわけにはいきません。
スタッフから生徒にチャットする
スタッフから直接、生徒とチャットすることはできません(この場合は、John さん⇒ 横田さん)
スタッフから先生にチャットする
スタッフは先生とはチャットできます。もちろん、スタッフ同士もチャットできます。
スタッフが生徒を含むグループチャットに追加される
スタッフが生徒を含むグループチャットに追加されると、グループチャット内では生徒ともチャットすることができるようになります。
ちなみに、この機能はあくまでも「チャット」に限定したものであり、チーム内での会話はチームメンバー全員が閲覧できる状態となるため、チャネル内では問題なく投稿しあうことができます。
参考
監視ありチャットを使用する - Microsoft Teams | Microsoft Docs