2023年2月

2023年2月22日 (水)

SharePoint や OneDrive for Business 内からファイルを検索できますが、見つかった検索結果のファイルを直接開くのではなく、そのファイルが格納されているライブラリやフォルダーを開きたいということもよくあります。

こうしたニーズに対応すべく検索結果から保存場所を開くことができるのですが、操作方法に気づかない方も少なくないようです。

SharePoint 上の検索結果の場合

検索結果の右端にある...をクリックすると「フォルダーを開く」メニューが表示されるのでこれをクリックします。20230222_120232

OneDrive for Business 上からの検索結果の場合

検索結果にある目的のファイルを選択するとコマンドバーに「ファイルの保存場所を開く」が表示されます。また、... をクリックしても同じメニューが表示されます。20230222_120357

ついでに、、Microsoft 365 ホーム(microsoft365.com) のクイックアクセスからも

www.microsoft365.com のクイックアクセスからも格納先のフォルダーを辿れます。こちらも...から[開く]>[ファイルの保存場所を開く]をクリックします。

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2023年2月13日 (月)

SharePoint のアドオンライセンスである Microsoft Syntex のライセンスがあれば、ドキュメント ライブラリのルールからファイルの移動やコピーの自動化ができます。これには独自の技術が用いられるため Power Automate は一切使いません。

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ドキュメント ライブラリ間でファイルを移動またはコピーするルールを作成Microsoft Syntex | Microsoft Learn

そもそも「ルール」機能はドキュメント ライブラリに何らかの変更が加えられたときに通知メールを自動送信するために利用できるものです。ここに Syntex のライセンスを持つユーザーはファイルの移動やコピーを自動化する機能が加わります。そもそも「ルール」機能はドキュメント ライブラリに何らかの変更が加えられたときに通知メールを自動送信するために利用できるものです。ここに Syntex のライセンスを持つユーザーはファイルの移動やコピーを自動化する機能が加わります。

ライブラリに新規にファイルが作成されたら、すぐに別のライブラリに移動または移動させることができます。また特定の列の値がある値に変更されたら、ファイルを移動させたりコピーしたりできるわけです。列の値ということであれば、Syntex の持つ AI によるタグの自動設定が利用できるため、これとうまく組み合わるとファイルを放り込むだけで処理が済んでしまいます。

利用する際のポイント

この機能を使うときのポイントは移動先はライブラリであるということです。以前、SharePoint のクラシックサイトでは類似した機能でコンテンツ オーガナイザーというものがありましたが、その時から変わらず移動はライブラリ単位です。したがってファイルを仕分けるのにライブラリ内のフォルダー構造のみに頼るのはお勧めしません。メタデータの設定もライブラリ単位ですし、秘密度ラベルの既定値もライブラリ単位での設定です。大量のドキュメントを分類して管理するのならできるだけライブラリを分けるよう設計することが肝心です。

またこの機能によって移動やコピーする際にはメタデータも保持されます。移動先に同名の列が用意されていれば、そこに値が維持されます。なお移動やコピー元の列と全く同じ列構成である必要はなく、必要な列だけ移動およびコピー先に同名で用意しておけば問題ありません。※ちなみに、自動的やコピー時に同名のファイルが既にある場合はファイル名の末尾に"1"などの数値が付きます。

さらに確認しておきたいのが権限のことです。移動やコピー元のライブラリで「編集」アクセス許可レベルを持っていたとして、移動やコピー先には「閲覧」しかないというような、一定期間の保管庫として使う予定ライブラリへの移動やコピーもできることです。たとえば、完成したファイルの「プロパティ」を "完成済み" などに変えると、自動的に別のライブラリに移動させることができ、そこではユーザーは閲覧しかできないようにファイルが保護できます。

たとえば、次のようなシナリオを描けます。

Photo

デモ

具体的な操作をデモしていますので下記を確認してください。

2023年2月11日 (土)

タイトル通り、Mcirosoft Edge に搭載されている PDF のエンジンが Adobe Acrobat PDF のネイティブエンジンに置き換わります。20230209_142534 [参考情報]

ネイティブエンジンが搭載されることで利用者にとっては、無償で次のような利点が享受できるようになります。

  • 正確な色とクプラフィックスによる忠実度の向上
  • パフォーマンスの改善
  • 強力なセキュリティ
  • アクセシビリティの向上

※PDFを閲覧する際、画面下部の隅にAdobeのブランドマークがさりげなく表示されるようになるそうです。

Adobe Acrobat のサブスクリプション

Adobe Acrobat のサブスクリプションをすでに持っていれば、既存のAdobe Acrobatサブスクリプションでサインインし、Adobe Acrobat拡張機能を利用することで (ダウンロードすることになるよう)、Microsoft Edgeで高度なデジタル文書機能 (PDF変換、ファイルの結合、テキストや画像の編集など)を使用するオプションを選択することができます。

Microsoft Purview Information Protection (MPIP)

Microsoft 365 E5のサブスクリプションを持つ組織では、証明書ベースの署名の表示と検証、および秘密度ラベルで保護されたPDFファイルの表示も追加料金なしで利用できます。

リリース時期

新しいエンジンへの切り替えは段階的に行われます。押さえておきたいポイントは次の通り。

  • 2023年3月からすべての Windows 10 および 11 ユーザーに提供開始 (コンシューマーおよび非管理対象デバイス)、2023年9月にロールアウト完了
  • 管理対象デバイスを持つ組織にはオプトインオプションが提供される
  • レガシーエンジンを搭載した Edge の PDFソリューションは 2024年3月31日に削除予定
  • MacOS向けの機能提供は予定されているが時期は未定

前述した通り、コンシューマー向けおよび非管理対象のユーザーには 2023年3月からすぐにこの変更が反映されることになります。

一方の管理対象のデバイスに関しては Intune ポリシーによるオプトインが可能です。Microsoft は、商用組織の管理者がこの新しいエンジンをテストするために、2023年3月の安定版リリースされる Microsoft Edge で Adobe Acrobat PDF エンジンの動作を確認するテストユーザーをあらかじめ選出しておくことを勧めています。なお、この新しいエンジンを利用するには 「NewPDFReaderOptInEnabled」 ポリシーを有効にする必要があります。また、有償のAdobe Acrobatの機能を試すよう促す通知を非表示にするには、管理者は 「GetAcrobatSubscriptionButtonEnabled 」ポリシーを有効にする必要があります。

2023年9月以降に組織への展開が始まりますが、2024年3月31日まではオプトアウトが可能でそれまでに、管理者は「NewPDFReaderOptOutEnabled」ポリシーを有効にすることで展開をしばらくは無効化できます。

デバイス 2023年3月 2023年9月 2024年3月31日
コンシューマー デバイス ユーザーへのロールアウト開始 ユーザーへのロールアウト完了 (該当なし)
管理対象デバイス オプトインポリシー開始
  • 管理対象デバイスへのロールアウト開始
  • オプトインポリシーの有効期限終了
  • オプトアウトポリシー開始
  • オプトアウトポリシーの有効期限終了
  • EdgeのレガシーPDFエンジンの削除予定

以上。ユーザーに対しては今年中に Edge を使ったPDF 機能が強化されることを周知するとともに、これにより何かしら影響を受ける可能性のある組織は早めの検証を進めておいた方がよさそうです。

2023年2月10日 (金)

OneDrive for Busines ではすでに利用できるようになっている「ファイルの要求」機能ですが、いよいよ SharePoint のドキュメント ライブラリでも使えるようになりました。

この機能は特定のフォルダーを社内外に共有する仕組みではあるのですが、メリットとしては共有リンクにアクセスしたユーザーはファイルのアップロードしか行えず、フォルダー内の内容は閲覧できませんし、既存ファイルの編集や削除当然できません。他のユーザーがアップロードしたファイルも確認できません。そのためファイルを送ってほしい相手には自分の管理するフォルダーを見せずにファイルの送信だけを依頼できるメリットがあります。

従来は OneDrive for Business でだけ使えた機能が現在 SharePoint でも利用できるようになっているのです。

OneDrive for Business のファイルの要求機能については下記の記事も併せてご確認ください。

さて、この新機能はこの記事を書いている 2023年2月10日現在ではプレビューと正式リリース(GA)の境目になっており、GAの予定は2023年2月上旬からロールアウト開始で、2023年2月末にはロールアウト完了とのこと。

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テナントレベルでの必要な設定は次の2つです。サイトの管理者レベルでは設定できませんので注意してください。

  • SharePoint 管理者はテナントレベルで「すべてのユーザー」のリンクを有効にする
  • SharePoint 管理者は「すべてのユーザー」リンクに対して「表示、編集、アップロード」を許可する

この辺の設定に関する詳細は上記の OneDrive について書いたブログでも説明しています。

さて、使い方ですが、ずっと SharePoint サイト上で「ファイルの要求」機能が使えるものと思い込んで待っていたのですが、どうも OneDrive for Business 側から設定するようです。OneDrive for Business に表示される「クイック」アクセスからも SharePoint サイトのドキュメント ライブラリにアクセスできますが、ここから操作すると利用できました。

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サポート文書もよく読むと確かに OneDrive for Business 上での操作しか言及していないんですよね。。。

操作画面をデモしていますので下記のビデオもどうぞ(音声が出せない方はキャプションをオンにしてご利用ください)。

補足、SharePoint に送信されたあとはメールも届きます。

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2023年2月 9日 (木)

Microsoft 365 の SharePoint にあるイベント Webパーツと強調表示されたコンテンツWebパーツはともに検索機能を使って複数の場所のコンテンツを集約できるWebパーツです。この2つのWebパーツに「グループレベルのキャッシュ」というオプションが用意されています(2023年2月以に確認ずみですが、昔はなかったオプションです)。

特定のセキュリティ グループを指定することで、情報がキャッシュされるようになり、より高速にコンテンツが表示できるようになります。

この機能に関する説明は下記のサポート文書に書かれています。

Use the Highlighted content web part - Microsoft Support

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ちなみに、イベント Webパーツはソースを「このサイトのリスト」以外を選んだ時に検索機能が使われるようになっています。そのため、例えば、「すべてのサイト」などを選ぶとしたの方に「グループレベルのキャッシュ」オプションが表示されます。

20230209_210212 強調表示されたコンテンツ Webパーツで、実際に実験してみました。まずこのWebパーツの取得件数を最大の500件にします。これによってページ表示にかかる時間ができる限り多くなるようにしておきます。キャッシュされることでどれぐらい変わってくるのか比較するためです。キャッシュ用のグループは指定しないでおきます。

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このままSharePointページの診断ツールで確認するとページの読み込みに 3546ms かかっており、改善の機会として「強調表示されたコンテンツWebパーツ」が読み込み時間かかっているので改善するように提案されています。

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では、セキュリティ グループを指定してみます。検証で利用しているデモ用のユーザーグループである all demo users グループを指定します。すると、現在サインインしているユーザーはこのグループのメンバーではないため、コンテンツが一切表示されなくなりました。つまり、本来はサイトの閲覧者と同じセキュリティグループを指定しないと、表示されないコンテンツが出てくるということになります。

あくまでもこのWebパーツ上の話で、通常の検索ウィンドウから検索すれば閲覧権限のあるコンテンツは表示されるので、セキュリティ制限に使えそうだ! と安易にとらえないでくださいね。

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では all demo usersグループのメンバーアカウントに切り替えて再びページの診断ツールを実行してみます。今度は読み取り時間が 2301ms となり、先ほどよりも 1000 ms 近く早くなったことがわかります。警告も出なくなりました。実際にコンテンツの表示も確かに早くなっていることを体感できるレベルです。

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より高速にページを表示するための工夫としてうまく活用してみてください! それと同時に、Office 365 CDN の設定もお忘れなく。

SharePoint Technical Notes : Office 365 CDN の概要と最新情報(2023年1月) (lekumo.biz)