2024年8月22日付で次の更新機能がアナウンスされました。
- 受信者への取り消し通知のオプション
- 取り消し可能なメッセージ世代の最大値
- 外部ラウンド トリップルーティング
Exchange Online Message Recall Updates - Microsoft Community Hub
受信者への取り消し通知のオプション
これまで組織内のユーザー宛のメールは送信主が相手に知らせることなく送信済みメールをこっそりと取り消すことができていました。とはいえ、一度、受けとったことを目にしているユーザーもしくは一度目を通したユーザーにとっては「あれ、あったはずのメールがない!」ということになり混乱を招くこともあったのです。
そんな背景から、新たにテナント管理者は取消し通知を宛先に指定したユーザーに対して有効にできるようになりました。次の2つのいずれかのオプションを指定できます。
- 全ての取り消されたメッセージ
- 受信者が読んだ取り消したメッセージのみ
要するに全社はすべての送信済みメールに対して取り消したことを知らせる。後者は読んだ人にだけ、「あっ、あのメール取り消しましたからね。もうないんですよ」という旨を知らせることができるわけです。
この設定は PowerShellコマンドからも実行できますが、Exchange 管理センターから確認するのがわかりやすいでしょう。まず、[設定]>[メールフロー]の順にアクセスします。
次に表示される画面から「メッセージの取り消し」セクションにある “受信者のリコール アラートを有効にする” をオンにします。この時に「すべてのリコール済みメッセージ」または「受信者によって読み取られた取り消されたメッセージの場合のみ」のいずれかを指定します。あとは、「保存」を押下するだけです。この設定変更は以上の設定は1時間ほど反映されるまで時間がかかるそうです。
メッセージを取り消す
では、送信済みのメール(組織内宛て)をメッセージ取り消してみます。
しばらくすると送信対象者に取り消しを知らせるメッセージが届きます。
取り消し可能なメッセージ世代の最大値
ちなみに、上記設定の下にある「これより古いメッセージの取り消しを送信者に許可しない」オプションでは、取り消しが可能な送信後の日数を指定できるようになっています。既定値は 365です。最低5分~最大10年まで指定できます。
外部へのラウンド トリップルーティングのサポート
設計上、メッセージの取り消しは Exchange Online のサービス境界外へと送信されたメッセージの取り消しには対応していません。しかし、一部の管理者は、テナント内のメール(送信者と受信者が同じテナントにある場合)を Exchange Online からサードパーティのサービスまたはオンプレミスのシステムに転送して追加処理を行った後、再び Exchange Online に転送して配信しています。従来では、このシナリオでは取り消しは失敗していました。
ですがアップデートにより現在は外部を経由して Exchange Online に戻って配信されるテナント内メッセージの取り消しもできるようになったそうです。