2023年9月

2023年9月25日 (月)

一年前の2022年9月に Microsoft 365 の SharePoint サイトの新しいテーマカラーとして「薄紫 (Periwinkle)」が追加されました。これは Microsoft Teams のダークモードに合わせた色味となっています。

そして今年は、新たに「黒 (Black)」と「セルリアン(Cerulean)」が追加されました。

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この記事を書いている 2023年9月25日現在のロールアウト状況は次の通りです。

  • 対象リリーステナント: 2023年9月中旬~9月下旬
  • 標準リリーステナント: 2023年9月下旬~10月中旬

今回のこれらの色が選ばれた理由は特に明記されていませんが、純粋に「黒」というのはなかったので黒の好きな Microsoft MVP 仲間の中村太一さんは、結構、気に入るのではないかなぁと思っています😊(たぶん、本人はこのブログは見てないと思いますけど(笑))

2023年9月21日 (木)

Microsoft Edge for Business が Edge のリリースバージョン 116 (Stable) から展開されており、個人の Microsoft アカウント (MSA) と Microsoft Entra ID のアカウントのプロファイルを明確に分離して管理できるようになりました。お気に入り、キャッシュやストレージなどは個人用と仕事用とで明確に分かれるわけです。Edge for Business の概要はIT系のメディアのニュースなどでも取り上げられていますし、この記事の一番下に Microsoft 社からの公式情報のリンクも掲載しているため、これ以上は触れません。

その代わり、私が遭遇したトラブルと対処法について触れておきたいと思います。

プロファイルの自動切換えと Microsoft Teams

さて、表題の話に移りましょう。Edge for Business には自動的にプロファイルを切り替える機能が備わっています。これにより例えば、一般的なサイトは仕事とは直接関係ないので個人のプロファイルで閲覧し、仕事で利用するサイトへのは Entra ID アカウントのプロファイルに自動的に切り替えることができる利点があります。この設定はEdgeの「設定」>「プロファイル」>「プロファイルの基本設定」にあります。

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この画面の下の「サイトのプロファイル設定」に注目してください。私の環境では既定では、teams.microsoft.com のサイトが追加され、「個人プロファイルに切り替える」ようになってるのです。
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ここが本題に関わるのです。

仕事では Microsoft 365 の研修を定期的に行っているため私自身は複数のアカウントを用意し、これを切り替えてデモすることが多いのですが、いつからかプロファイルを切り替えて Microsoft 365 のアプリ起動メニューから Microsoft Teams のWeb版にアクセスしようとすると、どうやっても個人のプロファイルが起動し、個人アカウントに紐づけている Microsoft 365 開発者用テナント側の Teams が開いてしまう。このプロファイルの自動切換えを把握していなかったのです。

既定で「切り替え」なっていた設定を「切り替えない」に変えたところ、従来通り、各プロファイルの Web版のTeams にアクセスできるようになりました。

ということで、新機能が登場したらなべく早く情報をキャッチアップしておかないとダメですね~。

以上、情報共有でした! 

[参考]

2023年9月13日 (水)

これまでSharePoint アプリを登録およびアプリのアクセス許可を更新する際に次の SharePoint ページ上から設定していました。

SharePointのアプリの登録
https://<サイトのURL>/_layouts/15/AppRegNew.aspx

Appregnew_2

SharePoint アプリのアクセス許可の更新
https://<サイトのURL>/_layouts/15/AppInv.aspx

Appinv_2

※個人的には Postman アプリから SharePoint の API 経由で操作するような場合に、Postman を SharePoint アプリとして登録して利用するのに使ったりしています。

このように SharePoint サイトの旧来からある機能を経由して、Azure 上にサービス プリンシパルを作成および更新していたわけです。

[参考] SharePoint アドインを登録する | Microsoft Learn

この設定が可能なのは、サイトコレクションの管理者(サイトの管理者)です。

変更点

この設定方法が管理ガバナンスのセキュリティ強化を目的として、2023年8月下旬から9月中旬にかけてのアップデートで変わります。今後は、SharePoint テナント管理者が明示的に承認しない限り、サイトコレクションの管理者が上記のページからアプリの登録やアプリのアクセス許可の変更ができなくなります

たとえば、AppRegNew.aspx ページで[生成]ボタンや[作成]ボタンを押下すると次のようなメッセージが表示され先に進むことができません。

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ただし、Microsoft Azure ポータルからアプリを登録し、アクセス許可を更新している場合はこの変更の影響は受けません。

既定ではサービス プリンシパルを作成および更新できるのはテナント管理者のみです。ただし、下記の PowerShellコマンドを実行することで SharePoint テナント管理者とサイトコレクションの管理者の両方が SharePoint サイト経由で従来通り、サービスプリンシパルの作成と更新ができるようになります。

この設定はテナントレベルの一括設定です。サイト単位ではありません。

Set-SPOTenant -SiteOwnerManageLegacyServicePrincipalEnabled $true

※SiteOwnerManageLegacyServicePrincipalEnabled プロパティは SharePoint Online 管理シェルが 16.0.23710.12000以降のバージョンで利用できるようになります。

このアップデートがロールアウトされる前はこの値は常に True となっており、明示的に False にしたとしても内部的には True です。ロールアウトされると既定値は False に自動的に切り替わります。

つまり、このプロパティが既定で False になっていれば、新機能がロールアウトされているということです。

2023年9月 6日 (水)

新たな機能として、ニュースページを丸ごとメールで送信できるようになります。この機能は「メール用の SharePoint ニュース」と呼ばれます。メールで丸ごと送信したとしても、ページの利用状況レポートにも閲覧状況がカウントされるようになるというのも重要なポイントです。

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ロールアウト

ロールアウトは現時点では (2023年9月5日現在)、対象リリースのテナントだけのようですが順次他も展開されるよう。

  • 対象リリース: 2023年8月~2023年9月末 (Microsoft 365 Roadmap | Microsoft 365)
  • 上記以外は 2023年の秋中にロールアウトが始まる予定

これまでもニュースやページはメールで送信できましたが、あくまでもタイトル画像と本文の最初のみであり、基本的にはリンクを送っていたにすぎません。しかし、この機能はリンクではなく丸ごとメール送信します。そのため、メールを閲覧するだけで直接ポータルにアクセスすることなく社内からのお知らせなどをすべて確認できます。ニュースは従来通り、ニュースとして SharePoint に蓄積されていくため、SharePoint 側で過去のニュースをさかのぼって検索することもできます。中途入社などの場合でも、入社前の過去のお知らせを自分で検索し確認できるのはメリットと言えるでしょう。

(とはいえ、ファイルのリンクなどがある場合は SharePoint 側のリンクをクリックする必要があり、ファイルの内容をメーラー側でプレビューするような機能はありません)。

他にも組織によっては、ライセンス管理の関係から必ずしも全社員がSharePoint を利用できる Microsoft 365 のライセンスを持っていないが、社内からのお知らせだけはポータルに掲示するだけではなく、メールで送りたいというようなニーズもあります。こうした場合、これまでは何とかプログラムコードを書くなどして対応することもあったようですが今回機能を使えば、こうしたニーズにもこ応えられる可能性があります。

メール用のニューステンプレート

ニュースを作成するときに新しくメール用のニューステンプレートが用意されます。これは日本語だと「メール用に作られました」と書かれており、英語だと「Made for email」と表記されます。テンプレートにメールのアイコンがあるので区別しやすいでしょう。タブも2つ用意され、マイクロソフトが作ったもの (From Microsoft) とサイト内で独自に作ったもの (Saved on this site) とで、テンプレートが分かれるようになります。

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このテンプレートから作成するニュースは、利用できる Webパーツが限定的です。メーラーでも閲覧できるように、対応できるWebパーツが厳選されています。利用できるWebパーツは次の通りです。

  • クイックリンク
  • スペーサー
  • テキスト
  • ファイルとメディア
  • ボタン
  • ユーザー
  • リンク
  • 画像
  • 分割バー

※リストWebパーツやカウントダウン、地図、天気などの Web パーツは利用できません。とはいえ、実際にニュースを使っている組織ではページの75%は文字と画像で構成したシンプルなものになっているとのことで、基本的な伝達はこれで上記のWebパーツで十分に賄えると思います。

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ちなみに、セクションは通常通り使えます。基本的には上部の左から右へと順にメール用に配置されることになります。どのように表示されるかは、プレビューして確認しておくようにしましょう。ただし、折り畳みオプションはメーラーでは再現されず、そのまま展開されて表示されます。そのため、このオプションは利用しない方がよさそうです。

メール送信

ページをメール送信する前に、Preview が用意されているためこれで送信後の画面を確認できます。また、通常の「ニュース投稿」ボタンが「Post and sent」(投稿と送信)に変わります。これをクリックすると、メール送信用の画面が表示されます。

詳しくはビデオでどうぞ(2023年9月3日時点)。

送信先と社外への送信

送信先は、あくまでもサイトに閲覧アクセス許可レベル以上を持たせてあるユーザーが対象です。これ以外には送信できません。アクセス権のないユーザーを選択すると送信メニューがグレーアウトしてしまいます。

ただ、サイトが社外共有できるように構成されていて、ゲストユーザーを追加している場合はその人にもメールを送信できます。試しに自分の Gmail アカウントをゲストとして追加してメール送信してみましたが、問題なく送信できました。

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新しい共有メニュー

現在、ページでは新しい共有メニューもロールアウト中です。従来の[送信]メニューはなくなり、[共有]メニューに変わります。ここからメール送信もできるようになります。

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なぜ、メール送信なのか?

SharePoint, Microsoft Teams や Viva Engage などを利用するようになり、メールの量を削減しようという話は多くの組織でも話題に上がっていたと思います。そのため、今回の新機能は、メールの利用を改めて推し進めていこうという意図ではないとMicrosoft は話しています。あくまでも、"「場」を選ばず、いつでもどんな環境にあっても役立つ情報をいかに届けられるか" という観点を重視した結果であり、メールしか見られない状況があったときにも素早く情報を得られるようにするために選択肢を広げるというのが、この新機能の意図だということです。

今後の機能の追加予定など

これから数か月の間にさらなる機能が追加される予定だそうです。これから追加される予定の機能やよくある質問などが Microsoft 365 & Power Platform Community の録画で見ることができるので、下記の YouTube も是非確認してみてください。

🎦 Introducing new SharePoint news for email feature

[参考]

Introducing new SharePoint news for email feature - Microsoft Community Hub

2023年9月 1日 (金)

Microsoft Lists (SharePoint リストも同様) に新しく「スキーマ付きCSVにエクスポート」というオプションが増えます。

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さて、これまでのCSVとは何が違うのか。従来はデータのみをエクスポートしていたわけですが、この新しいオプションでは次の情報もエクスポートできます。

  • カスタムの書式
  • 選択肢のピル書式
  • リッチテキストベースの編集
  • 人のデータ (ユーザーとグループ例)

要するにリストをより手軽に複製しやすくなるということです。リスト作成は既存のリストから作成する機能もありますが、この場合はデータはコピーされません。CSVにエクスポートしてインポートする方法であれば、データも含め初回リスト作成時にデータインポートができるわけですが、これまでは書式などは持っていくことができませんでした。


この機能のロールアウトスケジュールは次の通りです。

対象リリース 2023年8月下旬~9月上旬
標準リリース 2023年9月中旬~9月下旬

ちなみに、従来の CSVにエクスポートする機能も次の若干のアップデートがあります

  • はい/いいえ 列はこれまでのYes/No ではなく、True/False としてエクスポートされる

CSVファイルの内容確認

実際にエクスポートしたCSVファイルを確認しみましょう。従来通りのCSVファイルだと次の通りです。

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続いて、スキーマ付きのCSVを確認してみましょう。

最初に ListSchema={リストのスキーマ情報} が追加されるようになります (このスキーマ情報は SharePoint では昔から利用されている CAMLという言語によりXML形式で書かれています)。

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このリストでは、ユーザーとグループ列がありますが、従来だと表示名のみしかエクスポートしなかったものが、主要なメールアドレスをエクスポートするように変わります。また、日付形式も標準化された Universal DateTime 形式になっています。この例では先頭の「返却日」列が該当していて、単なる CSV へのエクスポートでは “2020/10/16 16:20” となっているのが、"2020-10-16T07:20:00Z" となっているのがわかります。ちなみに、この対応は「日付と時刻」の列で「時刻を含む」ように設定している場合であり、日付のみの場合は該当しません。さらに、先ほど触れたように “はい/いいえ” 列は従来の YES/NO ではなく、TRUE/FALSE に変わります。

インポートを試す

ではこのCSV ファイルをインポートしリストを新規に作成してみましょう。

※誤解している方も多いようですが、CSVファイルからのデータのインポートはリストを新規に作成するときにのみ利用できます。

元となるリストは次のようなリストです。日付と時刻、選択肢、はい/いいえ、複数行(リッチテキスト)の列を用意しています。画像列も用意していますが、画像列はデータ自体のエクスポートとインポートはできません(画像ファイル名を文字列として渡すだけ)。

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リストを新規に作成する際に、「CSVから」を選択します。

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次の図に示すように、従来のCSVからのインポートではほとんどの列が既定では1行テキストとなっていました。元の列の情報をもっていないためです。

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ですが、スキーマ付きのCSVファイルを使うと、次の図に示すように、列の種類などの情報も保持されており、列の種類も元のままとなります。ただ、画像などスキーマ付きのエクスポートをサポートしていない列は1行テキストのままです。

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インポートを行うと、列の書式や複数行テキストのリッチテキストもそのまま複製されていることがわかります。

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なお、インポートすると現時点では field_0 という謎の列が追加されます。編集などもできないため非表示にしておくようにしましょう。

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